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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

膜の曲面と組み合わせた反応拡散波

Naoki Tamemoto, Hiroshi Noguchi(2021.4, bioRxiv)[Reaction-Diffusion Waves Coupled with Membrane Curvature]

 

理由

ラボSlackに流れてきた

 

概要

タンパク質の反応拡散波は、細胞移動や細胞分裂そして小胞輸送のような基本的な細胞機能に関与することが知られている。これらの現象のいくつかにおいて、生物の膜を曲げる曲率誘導的なタンパク質を介する反応拡散系と膜変形の共役によって、膜上のパターン形成が誘導される。膜の形と曲率誘導的なタンパク質のダイナミクスは、これらの系に互いに影響するが、このようなフィードバックループが波に与える影響は詳細に研究されていない。本研究では、動的な三角形の膜モデルと、膜曲率の効果を含めたブラッセレータ―モデルを組み合わせるシミュレーションを用いて、膜変形と共役した反応拡散波を調べる。拡大する波パターンが、機械化学的効果によって拡大しないパターンと螺旋波パターンに変化することを発見した。さらに、波の速度は、自発的な曲率と曲げ剛性に依存する局所的な膜曲率と正もしくは負に相関する。さらに、小胞の形の自己振動が起こり、これは曲率誘導的なタンパク質の反応拡散波と相関する。これは、再構成したMin系のリポソームの実験観察と合致する。MIn系は大腸菌細胞分裂に重要な役割を果たす。本研究の発見から、生物現象における機械化学的共役の重要性が示される。

 

雑記

今日は大ポカやったせいで元気が出ない