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IL-10は乾癬における重要なサイトカインである。新しい治療方法であるIL-10治療による原理の証明

K Asadullah;...;W D Döcke(1998.2, J Clin Invest.)[IL-10 is a key cytokine in psoriasis. Proof of principle by IL-10 therapy: a new therapeutic approach.]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

炎症性のタイプ1サイトカインの過剰発現は乾癬で見られ、病態生理学的に重要だと考えられる。IL-10は免疫制御に主な影響があるタイプ2サイトカインである、なぜならこれはタイプ1炎症性サイトカイン形成を阻害するためである。したがって、このIL-10の乾癬における役割を調べた。他の炎症性皮膚病と比べて皮膚IL-10 mRNA発現が相対的に少ないことを発見した。興味深いことに、確立した抗乾癬治療中の患者は、治療前の患者より末梢単核細胞のIL-10 mRNA発現が高かった。これは、IL-10が抗乾癬力を持つことが示唆された。よって、3人の患者で24日間皮下IL-10注射を第Ⅱ相試験で行った。客観的および主観的なパラメーターによって計測して臨床有効性が見られた。(単球HLA-DR発現やTNF-αやIL-12分泌能力、IL-12の血漿レベル、再起抗原に対する応答性の減少)のような免疫抑制効果だけでなく、(IL-4,IL-5そしてIL-10産生T細胞の増加、IgE血漿レベルの選択的増加)のようなタイプ2サイトカインパターンに向けた遷移も観察された。驚くべきことに、IL-10投与は皮膚間のIL-10 mRNA発現も増加させた。この調査から、乾癬におけるIL-10の大きな重要性が示された。IL-10投与は新しい治療戦略を示す。これは、皮膚疾患に対するIL-10治療の最初の報告である。

 

印象的な図

Fig4. IL-10投与の局所効果

 

雑記

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