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原発性皮膚辺縁帯B 細胞リンパ腫:22の症例の臨床・組織病理・免疫表現型・分子遺伝研究

O. Servitje;...;Peyrí, V. Romagosa(2002.12, Br J Dermatol.)[Primary cutaneous marginal zone B-cell lymphoma: a clinical, histopathological, immunophenotypic and molecular genetic study of 22 cases.]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

背景

原発性皮膚辺縁帯B細胞リンパ腫(MZCL)は最近記述された。臨床経験が不十分であることと、大規模な症例数が少ないために、濾胞中心細胞のリンパ腫およびリンパ球腫からの分化は、大抵困難である。

目的

原発性皮膚(MZCL)をより特徴づけるため、22人の患者の臨床・組織病理・免疫表現型・分子遺伝的特徴を報告する。

方法

全ての患者は同じ機関で治療し、経過観察を行った。MZCLの診断は、WHOの分類基準に基づいている。全てのサンプルを、幅広いモノクローナル抗体のパネルで定期的に検査した。 標準的な方法に従って各サンプルからDNAを抽出した。全てのサンプルでIgH 遺伝子再構成とt(14;18)(q32;q21) 研究を行った。

結果

22人の患者(男性20人,女性2人,平均年齢50歳,年齢は24-77歳)を登録した。平均経過観察期間は43か月であった。70%の患者が胴や四肢に特徴的な皮疹を示した。この皮疹は、広がる、もしくは環状紅斑でしばしば囲まれる、深紅から紫の浸潤性紅斑、結節、もしくは腫瘍を含む。4人の患者は頭と首にも皮疹を示した。2人の患者は散布性の皮疹を示した。主な組織病理特徴は、非表皮向性であり、結節パターンに主に分布する濃いリンパ腫浸潤である。通常、付属器の病変が認められ、最終的にはリンパ上皮複合体が形成されます。細胞学的に、辺縁帯B細胞とB単球様細胞の多型の浸潤であった。 芽球様細胞 CD30+細胞がよく観察された。コロニー性の反応胚中心とリンパ形質細胞性の分化がしばしば示された。 新生細胞はCD20+, CD79a+, CD5– and CD10–であった。L鎖の単型発現が18人の症例で観察された。クローナルIgH再配置が14人で検出された。bcl-2変異t(14;18)(q32;q21)は2人で見られた。多くの患者は、局所の放射線治療で治療した。この方法の完全寛解率は100%だった。6人の患者(27%)は最初の治療後6か月から8年までの皮膚の再発を示した。5人の患者(23%)は皮膚外の関与を示した。彼らのうち2人は大細胞転化と1人はリンパ腫で死亡した。頭と首の症状を示す4人の患者のうち3人は、皮膚外の症状の進行を示した。

結論

MZCLは、臨床的に、組織学的に、免疫表現型的に、十分に認識できるものであると思われる。一般的に予後は良いが、疾患は皮膚だけでなく皮膚外にも再発する可能性がある。大細胞転化と頭と首の症状は、予後不良に関連する可能性がある。

 

印象的な図

Figure. 1 胴と四肢の原発性皮膚辺縁帯B 細胞リンパ腫の患者における臨床症状

 

雑記

今日の論文は長かった。。