これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

配偶子形成過程におけるボトルネック効果の有無に関わらず、真核生物間で細胞小器官の突然変異による暴落を回避する

David M. Edwards;...;Iain G. Johnston(2021.4, PLOS BIOLOGY)[Avoiding organelle mutational meltdown across eukaryotes with or without a germline bottleneck]

 

理由

ラボSlackにて

 

概要

ミトコンドリアDNA(mtDNA)とプラスチドDNA(ptDNA)は、重要な生体エネルギー装置を指定する。そして、これらの細胞小器官DNA(oDNA)分子での変異は壊滅的になりうる。いくつかの動物の生殖細胞系において、遺伝的"ボトルネック"がmtDNAヘテロプラスミーにおける細胞間の違いを増加させる。これにより、浄化選択が変異のmtDNAの割合を低く維持するように働く。しかしながら、多くの真核生物は、発生初期で生殖細胞を隔離しておらず、動物のボトルネックでさえほとんど理解させていない。それなら、真核細胞小器官はどのようにマラーのラチェット、すなわち有害なoDNA変異が徐々に増加することーを避けているのだろうか?ここでは、包括的かつ予測的な遺伝モデルを構築する。これは、異なるメカニズムが真核生物間でどのようにoDNAダメージを分離し減少するのかを定量的に記述する。この包括理論を適用して、多様なマウスモデルにおける最近の単細胞観察の動物のボトルネックを特徴化する。さらに、遺伝子変換は、oDNAコピー数の欠損なしで有益な細胞間変異を増加させるのに部分的に有力なメカニズムであることを示す。これは、多様な生物で観察されるoDNA組換えの利点を説枚する。この組換えは(例えば海綿やサンゴ、菌そして植物のような)動物のような生殖細胞系列は隔離しない。真核生物間でのゲノム、トランスクリプトーム、そして構造データセットが、配偶子ボトルネックの無い有利な多様性を生み出すこのメカニズムを支持した。この枠組みは、系統間の複雑なoDNA変異を説明し、マラーのラチェットが異なる真核生物でどのように避けられているのかを示唆する。

 

補足

ヘテロプラスミー(heteroplasmy):ミトコンドリア遺伝子異常の大きな特徴として、同一細胞内に正常と異常のmtDNAがさまざまな割合で共存していることが挙げられる。 

ミトコンドリア遺伝子3243変異(mtDNA変異3243)

 

雑記

うちのベランダにシジュウカラが飛んできた。白黒のスズメみたいなやつ