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寛解は炎症の終了か?

Karen T. Feehan; Derek W. Gilroy(2019.2, Trends in Molecular Medicine)[Is Resolution the End of Inflammation?]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

制御できない炎症は、関節リウマチを含む大量の慢性疾患の発症における重要な要因である。研究では、これらの疾患を治療するため、そして、NSAIDsのような薬剤を用いて炎症を駆動するメディエーターの活性と合成を阻害する目的を特に優先して、慢性炎症反応を引き起こすようなメディエーターを理解することに注目してきた。最近発見されたSPMsはAA由来の(n-6)リポキシンと同様にn-3由来のレゾルビンファミリー、プロテクチンそしてマレシンを含む内因性メディエーターである。これは、寛解過程を促進するのに重要であり、寛解を促進する治療の開発の重要なターゲットである。典型的に寛解は、組織恒常性を保ち、慢性炎症の進行を阻害する厳しく制御された過程として定義される。しかしながら最近の研究では、感染/損傷に対する免疫反応の終了が寛解ではない、という別のモデルが紹介された。このモデルでは、寛解カスケードが損傷後の組織を変化させる免疫生理を完全に変化させた後に起こる免疫活性がある。適応した恒常性は、進化上のトレードオフである。つまり、二次感染の脅威が外部抗原に対する免疫活性の発展よりも望ましい結果である。適応恒常性をもたらすために、寛解寛解後の間に起こる事象を理解することは、いくつかの慢性炎症性疾患や自己免疫疾患の起源を解明する鍵となるかもしれない。慢性炎症や自己免疫疾患の起源の解明は、炎症をその途中で止めることを目的とした治療とともに解明されていない。近年、炎症が寛解する標的となる経路の理解が関心の道筋になり始めた。炎症の寛解は、感染や損傷の場所から組織機能を取り戻すまで、炎症細胞を除去する必要がある細胞の現象を制御する一連の複雑なメディエーターによって駆動されている。しかしながら、最近の研究から、寛解は感染や損傷に対する自然に調節される免疫反応の終了ではないことが示唆された。
解決のカスケードが完了した後、組織の免疫生理を変化させるさらなる免疫学的活動が起こり、かつて修復的なホメオスタシスと呼ばれていたものが適応的なホメオスタシスと再定義される。

 

印象的な図

Fig1. 炎症反応

 

雑記

ねむーい