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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

断食は脂質状態の決定にとって、規定通りに必要ではない:ヨーロッパ動脈硬化学会と臨床科学・実験医学のヨーロッパ連合からの合同声明を含む臨床・実験含意

Nordestgaard BG;...;Mora S, et al. (2016.7, Eur Heart J. )[Fasting is not routinely required for determination of a lipid profile: clinical and laboratory implications including flagging at desirable concentration cut-points-a joint consensus statement from the European Atherosclerosis Society and European Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine.]

 

理由

血液検査について色々調べてるときに見つけた

 

概要

目的

絶食時の脂質状態より非絶食時のものを使うことの臨床的意義を批判的に評価すること。そして非絶食時もしくは絶食時の脂質状態の実験報告のガイダンスを示すこと。

方法と結果

ランダムな非絶食時脂質状態を、絶食条件下で決定される状態と比較した広い観察研究から、習慣的な食事の1-6時間での最大の平均値変化は臨床的に有意ではなかった[トリグリセリドは+0.3 mmol/L (26 mg/dL)、総コレステロールは-0.2 mmol/L (8 mg/dL);LDLコレステロールは-0.2 mmol/L (8 mg/dL)、計算された残余コレステロールは +0.2 mmol/L (8 mg/dL)、非HDLコレステロールは-0.2 mmol/L (8 mg/dL)]。HDLコレステロール、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質B、そしてリポタンパク質(a)濃度は、絶食/非絶食条件で影響されなかった。加えて、絶食/非絶食濃度は時間経過とともに同様に変化し、循環器疾患の予測に匹敵する。よって、脂質検査に関する患者指導を改善するために、非絶食時のトリグリセロールが5 nmol/L(440mg/dL)の場合は、絶食時のサンプルを考慮する一方で、非絶食時の脂質状態の日常的な利用を推進する。非絶食時のサンプルでは、実験報告は異常濃度として以下の濃度で警告すべきである。トリグリセロールは2 mmol/L (175 mg/dL)以上、総コレステロール5 mmol/L (190 mg/dL)以上、LDLコレステロール3mmol/L (115 mg/dL)、計算残余コレステロール0.9 mmol/L (35 mg/dL)以上、計算された非HDLコレステロール3.9 mmol/L (150 mg/dL)以上、HDLコレステロール1 mmol/L (40 mg/dL)以上、アポリポプロテインA1は1.25 g/L (125 mg/dL)以上、アポリポプロテインB1.0 g/L (100 mg/dL)以上、そしてリポプロテイン(a)50 mg/dL (80th percentile)以上。絶食時のサンプルでは、トリグリセロール1.7 mmol/L (150 mg/dL)以上が異常濃度に対応する。生命に危険な濃度は、個々の参照が必要である。例えば、膵炎のリスクにはトリグリセロール10 mmol/L (880 mg/dL)以上、ホモ接合性家族性高コレステロール血症のリスクにはLDLコレステロール13 mmol/L (500 mg/dL)以上、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のリスクにはLDLコレステロール5 mmol/L (190 mg/dL)以上、そして高リスク循環器疾患のリスクにはリポプロテイン(a)150 mg/dL (99th percentile)以上が重要である。

結論

非絶食時の血液サンプルを血漿脂質状態の評価に日常的に用いることを推奨する。実験報告では、望ましい濃度の切点の基準に基づく異常値を決めるべきである。非絶食・絶食の測定は相互に排他的ではなく、相補的であるべきである。

 

雑記

製薬企業にはいかないぞ、と決めていたのに、いざ給料を見るとやはりケツイが揺らぐ