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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

OAS1スプライシングのアイソフォームの切り替えが、SARS-CoV-2感染を軽減する

Kei Iida;...; Masatoshi Hagiwara(2021.8, bioRxiv)[Switching of OAS1 splicing isoforms mitigates SARS-CoV-2 infection]

 

理由

こないだ参加した学会で紹介されてた

 

概要

背景

コロナウイルス感染症(COVID-19)患者ゲノムから集めた急速に蓄積している疾患感受性情報は、SARS-CoV-2感染の治療介入を開発するために緊急に有効活用されるべきである。クロモソーム12q24.13は、ウイルスゲノムRNAsを感知して抗ウイルス反応を誘発するタンパク質の、2’-5’-オリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS)ファミリーを指定する。このクロモソームは、COVID-19感受性に関連するSNPsを含むゲノム領域の一つとして同定された。OAS1エクソン6のスプライシング箇所で同定された高リスクSNPは、多様なスプライシングアイソフォームの割合とその酵素の活性を変化させることが知られている。

方法

インシリコモチーフ検索とRNAプルダウンアッセイを用いてOAS1スプライシングの原因となる因子を定義する。次に、スプライシング調節因子の候補を合理的に選択し、このスプライシングを調節した。

結果

小さな化合物を持つCDC様キナーゼを阻害すると、人の肺細胞におけるOAS1スプライシングアイソフォームの切り替えが誘導されることが分かった。この条件下で、SARS-CoV-2感染に対する抵抗性の増加、RNA分解の強化、そしてインターフェロンβ1の転写活性化が観察された。

結論

結果から、SARS-CoV-2感染に対する自然免疫抵抗を強化するためのゲノムに基づいた予防医学による化学スプライシング調節因子を用いる可能性が示された。

 

雑記

やっぱSNPって大事なんだなぁ(こなみ)