これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

構造化された環境での個々のバクテリアは表現型耐性をファージに依存する

Erin L. Attrill;....;Stefano Pagliara(2021.10, PLOS Biology)[Individual bacteria in structured environments rely on phenotypic resistance to phage]

 

理由

ラボSlackにたまってたやつ

 

概要

バクテリオファージは現在の抗生物質耐性問題を克服する方法を示すが、ファージに対する遺伝耐性は課題のままである。生体外でバクテリアは遺伝耐性を進化させてファージの吸着を防ぎ、ファージDNAを分解する。自然環境下では、進化した耐性はより起りにくい。なぜならバイオフィルムや微小コロニー、または壁の集団内の空間的な不均一性は、溶菌ファージに対する表現型の生存に有利だからである。しかしながら、遺伝的に反応しやすいバクテリアの存在は、自然環境下で非効率なファージの増殖、バクテリアが隠れられるような避難所の存在、また抵抗遺伝型の拡大の減少などの可能性もある。ここでは、個々の細胞の生存を追跡することで、一時的な避難所で隔離された個々のプランクトン状細菌とバクテリオファージの相互作用を監視した。これらの一過的な空間避難所において、ファージ受容体の発現が減少することによる表現型耐性が、バクテリアの生存の重要な決定因子であることが分かった。この生存戦略は、よく混ざった環境における一時的な避難所が無いときの遺伝耐性の出現とは対称的である。ファージに対する細菌の応答を追跡するための数理モデルの枠組みを介して生成された予測から、空間的な避難所の存在は、自然に構造化された環境でのバクテリア-ファージ相互作用の進化と生態ダイナミクスを予測し、操作するために考慮すべき基本的に異なる集団動態を引き起こすことが解明される。

 

雑記

また一つ年を取っていく。。。