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幾何的な埋め尽くしを介したショウジョウバエの複眼のタイル張りメカニズム

Takashi Hayashi;...;Makoto Sato(2022.5, Current Biology)[Tiling mechanisms of the Drosophila compound eye through geometrical tessellation]

 

理由

ラボSlackに流れてきた

 

概要

タイル張りメカニズムは多くの生物構造で観察される。複眼は興味深いタイル張りの例であり、複眼の光ユニットである個眼が六角形に配列することで構築されている。六角形のタイル張りは、構造的頑健性や最小境界長、また空間充填効率のような力学的制限によって共通である可能性がある。しかしながら、昆虫の中には四角形の平面を示すものも存在する。エビやロブスターのような水生甲殻類の数種は、四角形の平面を持つように進化してきた。明確な例はシャコ類であり、シャコ類の複眼は六角形の半球の間に四角形の領域を持つ。このことから、力学的安定性が原因で本質的に六角形のタイルが再発するという単純な説明が疑われる。同様に四角形のタイルパターンは、あるショウジョウバエの目が小さくなる変異体でも観察されるが、野生型の目は六角形である。このことから、個眼のタイル張りはこのような力学的制限で単純に説明できないことが示唆される。そうであるなら、四角形と六角形のパターンは発生中にどのように制御されるのか?ここでは、幾何的な埋め尽くしが個眼のタイルパターンを決定することを示す。目が小さくなる変異体では、隣接する個眼の相対位置が背腹軸に沿って伸びることで、六角形のパターンが四角形のパターンに変化した。複眼における四角形もしくは六角形のタイルパターンの設立において、個眼の規則的な分布とそれらの均一な成長が協調的に役割を果たすことを提案する。

 

印象的な図

Figure1.ショウジョウバエの複眼における六角形と四角形のタイルパターン

 

雑記

まだこんな面白い現象残っていたのね