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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

角質層の脂質:健康な被験者とアトピー性皮膚炎患者における皮膚バリア機能の役割

Van Smeden J., Bouwstra J.A.(2016, Curr. Probl. Dermatol.)[Stratum Corneum Lipids: Their Role for the Skin Barrier Function in Healthy Subjects and Atopic Dermatitis Patients.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要 

ヒトの皮膚は体とその環境との間の主なバリアとして機能する。この皮膚バリア機能に重要なのは、皮膚の最外層、角質層(SC)における脂質マトリックスである。その機能の2つは、(1)表皮を通した過剰な水分喪失の阻止と、(2)環境中の化合物が表皮や真皮に浸透して、免疫反応の誘発を阻止することです。SC脂質マトリックスの構成は3つの脂質クラス、コレステロール、遊離脂肪酸セラミドで占められている。これらの脂質は、脂質層(脂質ラメラ:側方の薄板状の脂質組織)が高密度に積み重なった高度に秩序立った3次元構造を生み出す。これらの脂質が秩序を持つ方法は、脂質構成によって決まる。SC脂質バリアが損傷した非常に一般的な皮膚疾患の一つは、アトピー性皮膚炎(AD)である。この総説では、健康な皮膚でのSC脂質組成と組織化を扱い、これらのパラメーターがAD患者の損傷部位と正常部位でどのように変化するかを詳しく述べる。脂質組成に関して、この3つの主な資質クラスにおける変化と脂質の炭素鎖の長さの重要性を議論する。さらにこの総説では、脂質組成における変化が脂質組織化の変化を誘導し、その後患者の正常部位と損傷部位の両方で、機能が減じた皮膚バリア機能と相関することについて扱う。さらに、SC脂質組成におけるフィラグリンの効果とフィラグリン遺伝子の変化を批判的に議論する。さらに、フィラグリンの分解生成物、 天然保湿因子、そしてSC-pHとの関連を記述する。最後に、AD患者とその他の関連皮膚疾患患者における表皮脂質生合成におけるいくつかの主な変化を記述し、炎症がSC脂質とSC生合成に与える劣化作用を議論する。この総説は、他の皮膚疾患と関連する将来の研究の方向性で締めくくる。

 

印象的な図

Fig1.ヒトSCにおける脂質組織化の説明

 

雑記

あと10個くらい読まなきゃいけない(しかも博論書き進めると増える)