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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

チューリングパターン生成の原因となるゼブラフィッシュ色素細胞間の相互作用

Akiko Nakamasu;..;Shigeru Kondo(2009.4, PNAS)[Interactions between zebrafish pigment cells responsible for the generation of Turing patterns]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

反応拡散系は、空間的な周期構造を自発的に生み出すような最も研究された非線形ダイナミクスの一つである。計算機シミュレーションを用いる多くの数理研究の基盤として、動物の皮膚パターンがチューリングパターン(反応拡散系によって生み出される定常的な周期パターン)の最も典型的な例であると考えられている。しかしながら、現象の分子的もしくは細胞的基礎がまだ同定されていないため、パターン形成の根底にあるメカニズムは未知である。本研究では、ゼブラフィッシュの色素細胞間の相互作用ネットワークを同定し、この相互作用ネットワークがチューリングパターンを形成するのに必要な過程を持つことを示した。限定された領域内の色素細胞をレーザー処理で殺すと、新しい色素細胞が発生して縞パターンを再生した。細胞の発生と生存は、周囲の細胞の位置の影響を受けることも発見された。黒色素胞と黄色素胞が隣接の位置に存在するとき、これらの細胞は他の細胞を除外した。しかしながら、黒色素胞は分化と生存の両方により近い領域で分布する大量の黄色素胞を必要とする。興味深いことに、これらの細胞の局在効果は、長距離での効果と真逆である。この関係は、反応拡散モデルにおいて安定なパターン形成に必要な必須条件を満たす。推定ネットワークのシミュレーション計算は、野生型の色素パターンに加えて他の変異体パターンも生成した。この発見により、細胞生物学の文脈内でチューリングパターン形成のさらなる研究が可能になる。

 

印象的な図

Fig4. 色素細胞とシミュレーションとの間の推定相互作用ネットワーク

 

雑記

布団から起き上がれなくなったので、気分転換に論文読み