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ミズーリ州とニューヨーク州の遊走性紅斑をもつ患者の前向き臨床評価

Wormser GP;...;Nadelman RB.(2005.10, Clin Infect Dis.)[Prospective clinical evaluation of patients from Missouri and New York with erythema migrans-like skin lesions.]

 

理由

博論や次の論文の参考文献

 

概要

背景

ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)感染の最も一般的かつ最も認識可能な特徴は、皮疹の遊走性紅斑(EM)である。EM様の皮疹に関連するが、ライム病ボレリアが原因ではない疾患(Masters diseaseとしても知られている、southern tick-associated rash illness [STARI])は、アメリカの多くの南側の州で起こる。

方法

ミズーリ州の21人の患者においてEM様の皮疹の21症例の臨床特徴と、ニューヨーク州のEM様の皮疹患者における101症例を前向き研究において比較した。

結果

ミズーリ州の症例では、EM様皮疹の罹患ピークは、ニューヨーク州の症例より一年でより速かった。ミズーリ州の患者の症例は、ニューヨーク州の患者の症例より虫刺されを想起させた。また虫刺されから皮疹の開始までの時間間隔はミズーリ州の患者でより短かった(6.1日と10.4日)。ミズーリ州の患者はニューヨーク州の患者より症状的でない傾向があった。そして、ミズーリ州の患者は複数の皮疹を示さない傾向があった。ミズーリ州の症例(8cm)におけるEM様皮疹は、ニューヨーク州の症例(16cm)よりサイズが小さく、形がより丸く、中央の消失が起こりやすい傾向があった。抗菌治療後、ミズーリ州iの患者はニューヨーク州の患者より速く回復した。
結論

ミズーリ州ニューヨーク州の患者のEM様皮疹の症例は異なる臨床所見を示す。

 

印象的な図

Figure 2

A 脚に単一の遊走性紅斑様の皮疹があるミズーリ州の患者の写真。中央の消失、不規則な境界、そして突出した点(先行する虫刺されの場所だと推測される)が特徴。

B 単一の遊走性紅斑皮疹があるニューヨーク州の患者の写真。皮疹は消失によってより暗い中央が囲まれており、さらにそれが紅斑性の境界で囲まれている、標的型の所見を持つ。

C. 背中に2つの遊走性紅斑様皮疹があるミズーリ州の患者の写真。各皮疹は中央の消失を示す。両方が突出を示すことから、それぞれが別の虫刺され後に起こったことが示唆される。

D 下腹部に単一の遊走性紅斑様皮疹があるミズーリ州の患者の写真。皮疹全体は、斑状であり、不規則である。

 

雑記

これは良い論文を見つけた