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皮膚γδT細胞リンパ腫:他の細胞毒性リンパ腫との重複がある所見のスペクトラム

Guitart J.;...;Kim YH.(2012.11, Am J Surg Pathol.)[Cutaneous γδ T-cell lymphomas: a spectrum of presentations with overlap with other cytotoxic lymphomas.]

 

理由

博論と次の論文の参考文献

 

概要

この論文では、皮膚で最初に現れるγδT細胞リンパ腫に関する多施設共同の経験を纏める。25歳から91歳まで、平均61歳の患者53人がこの疾患と診断された。診察時の皮疹の平均持続期間は1.25年(1か月から20年間)であった。最も一般的な所見は、脂肪織炎に似ている深部の斑であった(38症例)。次に、乾癬や菌状息肉症によく似た斑であった(10症例)。これらの皮疹は、時間と共に潰瘍化する傾向があった(27症例)。蜂窩織炎や膿皮症に似た病変の単発皮疹や局所領域は、8症例で報告された。病変の最も一般的な解剖学領域は足(40症例)、次に胸(30症例)、そして腕(28症例)であった。全身症状は患者の54%で報告され、中には限定的な皮膚病変も含まれる。重大な合併症には、自己免疫性(12)症例)、他のリンパ増殖性疾患(5症例)、内部癌(4症例)そしてウイルス性肝炎(2症例)が含まれる。リンパ節腫脹(3症例)と骨髄病変(5症例)は稀であったが、血清乳酸脱水素酵素(LDH)は患者の55%で上昇した。20人の被験者における異常陽電子放出断層撮影やコンピューター断層撮影スキャンは、主に柔組織やリンパ節に焦点を当てた。症状の進行は過剰な潰瘍性皮疹と関連し、その結果、血球貪食症候群と中枢神経系障害の合併症を含めた27症例が死亡した。診断からの生存期間中央値は31か月であった。皮膚生検は、page病様のパターンから、単に真皮性や脂肪織炎性の 

皮膚生検はpage病様のパターンから、細胞毒性の組織像を示す中型のリンパ球からなる単純な真皮または斑状浸潤まで様々であった。最も一般的な免疫表現型は、CD3+/CD4⁻/CD5⁻/CD8⁻/BF1⁻/γ-M1+/TIA-1+/granzyme-B+/CD45RA-/CD7-であった。そして4症例はエプスタイン-バーウイルス陽性であった。本研究は、現在皮膚のγδT細胞リンパ腫に関する最大の研究であり、予測性が低い結果をもつ多様な臨床的かつ病理的症状を示す。

 

印象的な図

Fig1. F 乾癬や菌状息肉症によく似た慢性鱗状紅斑

 

雑記

博論の足音が聞こえてきて、心が苦しい