多形紅斑の現在の考え方
Lerch, M.; ...;Harr T. (2018.1, Clinic Rev Allerg Immunol.)[Current Perspectives on Erythema Multiforme.]
理由
博論の参考文献
概要
多形紅斑の認識と時間的に適切な治療は主な困難である。この総説では、医者が診断や治療の意思決定を助けるために、現在の診断ガイドライン、潜在的な落とし穴、現在と新規の治療オプションをまとめる。急性かつ自己限定性の疾患である多形紅斑の診断は、組織学的知見と同様に、先端に優先的に局在する標的型の紅斑皮疹の臨床像に基づく。臨床的に、多形紅斑は皮膚だけの形態と、粘膜皮膚と組み合わせた形態に分類される。非定型の多形紅斑の所見は、皮疹箇所へのT細胞リンパ球と組織球の浸潤だけでなく、苔癬性か肉芽腫性の皮疹を含む。最も一般的な原因であるのは、単純ヘルペスウイルス感染であり、特にこどもでは、肺炎マイコプラズマやC型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルスやエプスタイン・バール・ウイルスのような他の感染因子も多形紅斑を引き起こすかもしれない。多形紅斑の原因として同定される2つ目に多い原因は薬剤である。異なる研究において、可能性のある関連する薬物として報告されている薬剤の例は、アロプリノール、フェノバルビタール、フェニトイン、バルプロ酸、抗菌性スルホンアミド、ペニシリン、エリスロマイシン、ニトロフラントイン、テトラサイクリン、クロルメザノン、アセチルサリチル酸、スタチンや、 アダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプトのようなTNF-α阻害剤である。最近、ワクチン接種や悪性腫瘍治療に対する免疫治療と関連する多形紅斑の原因や、イミキモドのような局所薬とでさえ関連する原因も記述されている。再発性の単純ヘルペスウイルス関連性の多形紅斑の患者において、アシクロビルによる局所予防治療は、さらなる多形紅斑を予防するとは考えられない。一つの抗ウイルス薬に対する抵抗性のある症例において、他の薬剤に切り替えた例と、抗ウイルス薬に対する反応性が無い患者において、JAK阻害剤やアプレミラストのような新しい治療選択だけでなくダプソンの利用も考えられるかもしれない。
印象的な図
Fig1.EMの臨床所見。a)手の甲の標的型皮疹。b)ひざの標的型皮疹。c)唇と口蓋の粘膜関与
雑記
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