これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

拍動的な収縮によって、上皮組織におけるアポトーシス的な細胞の押し出しが促進される

Youmna Atieh;...;George T. Eisenhoffer(2021.3, Current Biology)[Pulsatile contractions promote apoptotic cell extrusion in epithelial tissues]

 

理由

ラボSlackに流れててきた

 

概要

押し出しは、不適当な細胞や過剰な細胞、もしくは死細胞を上皮組織から取り除くために用いられるメカニズムである。細胞を上皮から選択的に押し出すようにする初期の事象はよく理解されていない。ここでは、発生中のゼブラフィッシュにおける上皮細胞に損傷を誘導し、タイムラプスイメージングを用いて押し出しを誘導する細胞と細胞骨格ダイナミクスを調べる。細胞の押し出しは、拍動的なアクトミオシン収縮に続いて起こることを示す。データから、拍動的な収縮は、ミオシンが再局在した中間点への接合部によって誘導されることが示された。収縮中の細胞領域の解析から、最長の持続時間と最大の振幅をもつ細胞拍動は、積極的な領域喪失と押し出しを行うことが解明された。パルスは張力の局所的な増加によって駆動されるが、多くの細胞への損傷は、上皮の引っ張り状態の全体的な減少を促進した。カスパーゼの活性によって、スフィンゴシン1リン酸化酵素の増加が起き、これは押し出す領域を検出するために、張力とパルスの両方を制御することを示す。これらのデータから、拍動的な収縮の力学は、押し出す細胞と押し出さない細胞とのふるまいの違いを定義し、押し出しを予測することが示唆される。これらを合わせると、本研究から物理的な力の局所的な変化がどのように協調して、生きている上皮組織の恒常性を維持するために欠損細胞を除去するのかに関する機械的な概念が与えられる。

 

印象的な図

Graphical Absatract 

 

雑記

蛍光染色きれいだなー、で終日おわる

反応拡散系としての地図状舌

Margaret K. McGuire;...;Niklas Manz(2020.10, Chaos )[Geographic tongue as a reaction–diffusion system]

 

理由

ラボSlackに流れてきたやつ

 

概要

地図状舌や良性移動性舌炎 は、舌の表面にわたってゆっくり移動する慢性病変が特徴的な、病因が未知の状態である。この状態の特徴的な波形から、これが反応拡散系としてモデル化されうることが示唆される。ここでは、反応拡散方程式を舌の形状を近似する回転楕円形や放物形の一部に応用して、幾何的な舌のパターン形成のモデルを示す。幾何的な舌の病変で観察されるパターンは、これらの様々な曲面の表面上を拡大する反応拡散波によって説明できる可能性があることを示す。

 

印象的な図

Fig1. 地図状舌の臨床像

 

雑記

この本、気になります。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B091XR5JWC/huyukiitoichi-22/

 

合成バクテリア集団における確率的なチューリングパターン

David Karig;...;Ron Weiss(2018.8, PNAS)[Stochastic Turing patterns in a synthetic bacterial population]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

生物形態と形状の起源は、科学における最も深い問題の一つであり、生物系の発生と機能の理解の根底にある。1952年に、アラン・チューリングによって、化学的な形態形成は、空間的に均一な状態の線形な不安定性から生じうることが示された。これは、反応拡散系における周期的なパターン形成から生じるが、これは急速に拡散する抑制因子と遅く拡散する促進因子がある時のみである。これらの条件を自然に達成するのは残念ながら難しく、生物パターン形成におけるチューリング不安定性の役割は疑問視されてきた。最近、この理論は、ノイズのある促進-抑制の誕生と死の過程を含むよう拡張された。驚くべきことに、この確率的なチューリング理論から、特に促進と抑制の拡散係数の比率に厳しい制限が無くても、幅広いパラメーターでパターンが存在することが予測された。このメカニズムが実際に可能であるかどうかを調べるために、シグナル分子が確率的な促進-抑制系を形成するような合成バクテリア集団を遺伝的に作成した。合成パターン形成遺伝子回路によって、遺伝的に作成したバクテリアの初期の均一な列が不安定化される。これにより、単細胞よりはるかに大きい空間スケールで調節可能な特徴のある不均一なパターンが生まれる。実験パターンの空間的相関も理論予測による兆候と定量的に合致している。これらの結果から、チューリングタイプのパターン形成メカニズムは確率的に駆動されることで、幅広い生物パターンに通底しうる可能性がある。これらの発見から、生物の形態形成の統一的な像の基礎が与えられる。これは、確率的な遺伝子発現と動的不安定性の組み合わせから生じる。

 

 

雑記

論文紹介どーしよー

代謝解析から、2つの紫葉の茶の木栽培品種(Camellia sinensis L.)における色の変化の異なるメカニズムが解明された。

Jiazhi Shen;...;Xujun Zhu(2018.2, nature Horticulture Research)[Metabolic analyses reveal different mechanisms of leaf color change in two purple-leaf tea plant (Camellia sinensis L.) cultivars]

 

理由

バナナから発展して、植物の色の変化について調べています

 

概要

アントシアニン豊富な栽培品種である紫葉の茶の木は、独特な色と味を持つ茶を産生する価値のある材料である。本研究では、新しい紫葉の栽培品種"Zixin"("ZX")を調べ、その生化学的変化と葉の色の変化のメカニズムを解明した。超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー四重極-飛行時間型質量分析(UPLC-QTOF-MS)を用いて、完全な紫、中間の紫、そして完全に緑の段階での"ZX"の葉の代謝を解析した。フラボノイド生合成経路における代謝は、紫の葉で高いレベルを維持していた一方で、ポルフィリンの中間物質とクロロフィル代謝とカロテノイド生合成は緑の葉で高いレベルを示した。さらに、脂肪酸代謝は紫の葉でより活発で、ステロイドは緑の葉で高いレベルを維持していた。サポニンとアルコール、有機酸そしてテルペノイド関連代謝物も、葉の色変化の過程で有意に変化した。さらに、"ZX"と"(徹底的に研究された紫葉の栽培品種である)Zijuan"間での基質変化も比較した。"Zijuan"における葉の色の変化は、フラボノイド/アントシアニンの変化によって主に生じた。しかしながら、フラボノイド/アントシアニンの減少、ポルフィリンとクロロフィル、カロテノイド、ステロイドの増大、そして脂肪酸の減少が相乗的に"ZX"での色の変化を起こす。これらの発見から、紫葉の茶の栽培品種における色の変化の制御メカニズムに関する複合的な研究が促進されるだろう

 

雑記

植物にもステロイドってあるんだ

反応拡散アクティブマターにおけるプログラム化された物理-化学共役

Anis Senoussi;...; André Estevez-Torres(2021.3, bioRxiv)[Programmed mechano-chemical coupling in reaction-diffusion active matter]

 

理由

ラボSlackあたりに来たやつかな

 

概要

胚の形態形成には、パタン形成メカニズムの複雑な組み合わせが関与する。しかしながら、従来の生体外パタン形成実験では、一度に一つのメカニズムだけを探索しているため共役効果が失われている。ここでは、細胞骨格のモーターと繊維で構成された活性ゲルに散逸的なDNA/酵素の反応ネットワークを統合することで、反応拡散ちアクティブマターの2つの主なパタン形成メカニズムを結合する。活性ゲルによって生み出される流れの強さは、2つのサブシステム間の物理-化学的共役を制御することが示された。この性質を用いて、時間と空間の両方において収縮が化学反応ネットワークを引き起こすような合成材料を作成した。これで、線虫の卵細胞で観察される局所化メカニズムの重要な側面が模倣された。反応拡散アクティブマターによって、物理-化学伝達の統合の調査と生物のような性質を持つ新しい物質の設計が促進されると期待する。

 

 

雑記

生物らしさ、人間らしさ、それぞれをずっと考えている

バナナの皮の摩擦係数

Kiyoshi Mabuchi;,,,;Rina Sakai(2012.9, Tribology Online)[Frictional Coefficient under Banana skin]

 

理由

バナナについて調べてるって言ったら、助教が教えてくれた

 

概要

床材の上のバナナの皮の摩擦係数を計測した。リノリウムの平面の床に自由度6の力変換器を置いた。バナナの皮がある床に靴の底を置いて滑らせる足の動きの間の、摩擦力と垂直力の両方を同時に測定した。計測された摩擦係数は約0.07であった。これは、一般的な材料の値よりもかなり低く、準滑面の値とほぼ同様であった。顕微鏡観察によって、衝突後のバナナの皮の潤滑効果と均一なゾルへの変化において、多糖類小胞ゲルが主要な役割を果たすことが推定された。

 

雑記

この実験の写真、とっても楽しそう

数理モデルから植物のシグナリングが解明される

Yin Hoon Chew;...;, Karen J. Halliday(2014.1, The Plant Cell)[Mathematical Models Light Up Plant Signaling]

 

理由

こないだ研究室に落ちてたバナナから植物の色が気になってきた

 

概要

植物は、異なる組織、器官そして植物全体における分子シグナリングを制御し同期させることで、環境の変化に対応する。遺伝的または環境の変化を通じた分子研究から、特にモデル植物シロイヌナズナで、これらの応答が作用するようなメカニズムの多くが解明されてきた。近年、数理モデルは生物メカニズムの理解を進める実験方法との複合的道具になってきた。この総説では、特に光によって制御される過程で、幅広い異なる生物過程を含むモデル例を示す。植物系のモデルにおける最近の問題と将来の方向性も議論する。

 

雑記

授業が始まって、多忙になりはじめた。。。