これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

肺の感染と傷害における炎症反応の数理モデルの総説

Sarah B. Minucci;...;Angela M. Reynolds(2020.8, Frontiers in Applied Mathematics and Statistics)[Review of Mathematical Modeling of the Inflammatory Response in Lung Infections and Injuries]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

ウイルスや細菌感染、構造傷害、もしくは危険粒子の吸入によって、肺の炎症が起こる可能性がある。これらの障害は免疫系によってすばやく分解され、多様な治療介入を通じて効果的に処理されることもあり、慢性疾患や死を引き起こすこともある。大量の肺感染や傷害中の免疫系を理解し、重要なメカニズムを同定し、新しい治療の重要な概念を提供するために、数理モデルが用いられていた。この総説では、長く受け入れられてきたモデリング技術と多様な肺障害を計算する新しい戦略を示し、これらの生命を脅かす状況を扱う数理モデリングの有効性を強調する。計算力の進歩によって、関連する生物学問題を扱うためにそれぞれ特別に設計された、ブール演算子だけを用いた数理モデルから複雑なハイブリッドマルチスケールモデルまで、多様なモデルを集めることが可能になった。これらの数理方法からの発見を説明するため、詳細な例を示し、結果をまとめ、インフルエンザや肺炎、COVID-19、結核、そして炭疽病そして他の非感染性傷害のモデリングの将来の方向性を考える。

 

印象的な図

Fig2. 病原性(P),抗ウイルス免疫防御(D), 炎症反応による全体の炎症(I)の3変数に基づいて計算される症状スコア(S)

Fig4. 異なるサイズと濃度の粒子の吸引に対する免疫反応のモデル概要

 

雑記

肺炎症、炎症の中でも特に興味を惹かれない

急性炎症反応の削減した数理モデル:Ⅰ.抗炎症のモデルの導出と解析

Angela Reynolds;...;G. Bard Ermentrout(2006.2, Journal of Theoretical Biology)[A reduced mathematical model of the acute inflammatory response: I. Derivation of model and analysis of anti-inflammation]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

急性炎症反応は、生物に対する多様な生物刺激や物理刺激によって引き起こされ、治癒と恒常性の復元を目的としているが、望ましくない、時々致死的な生理学反応を引き起こしうる監視とバランスの繊細なシステムである。本研究では、感染に対する急性炎症反応の削減した概念モデルを導出し、基本的なエフェクターの直接的な相互作用を考慮して作成した。このモデルを利用して、感染と恒常性の解決を促進する動的な抗炎症の重要性を調べる。さらに、モデル予測と抗炎症薬剤による免疫の調整に基づく潜在的な治療的介入との間の臨床的な相関を提供する。

 

印象的な図

Fig1. 急性炎症反応の4変数モデルを含む相互作用

 

雑記

始めよう、断捨離

皮膚常在免疫細胞は、健康時の上皮細胞内の分布を能動的に調整する。

Sangbum Park;...;Valentina Greco(2021.1, bioRxiv)[Skin-resident immune cells actively coordinate their distribution with epidermal cells during homeostasis]

 

理由

ラボSlackで流れてきた

 

概要

ヒトの器官は、適切な構造と機能を確保する複数種の細胞で構成される。異なる種類の細胞がどのように共存、相互作用して生体内の恒常性を維持しているかはまだ解明されていない。皮膚の表皮は主に上皮細胞を含むが、ランゲルハンス細胞(LCs)と上皮樹状T細胞(DETCs)も含んでいる。傷害や感染に応答して、LCsとDETCsは活性化して免疫に役割を行う。健康な間、それらは表皮の一番下層の上皮細胞に共存する。LCsとDETCsの分布が健康な間制御されているのか、またどのように制御されるのかは不明である。ここでは、生きた成体マウスの皮膚内のLCs,DETCsそして下層の上皮細胞を時間と共に追跡することでこの問いを扱う。隣の下層の上皮幹細胞が継続的にターンオーバーするにも関わらず、LCsとDETCsは全体の位置を維持することが分かった。さらに、LCsとDETCsはそれらの樹状の進展を介して下層上皮細胞の接点を急速かつ最大的に探す。上皮細胞密度を変化させると、免疫細胞の対応する変化を引き起こすが、その逆は起こらない。このことから、上皮細胞が表皮内での免疫組織構成を決定することが示唆される。さらに、LCsとDETCsは能動的に維持されているタイルパターンにおいて組織化されている。LCsまたはDETCsを異所的に除去すると、隣接する上皮LCsとDETCsはそれぞれ空いている空間や再構成されたタイルパターンへと移動する。最後に、LCsはそれらの位置の安定性や密度、タイルパターンを維持するのにGTPase Rac1を必要とする。結局、上皮細胞は健康な間免疫細胞の密度を制御し、免疫細胞は能動的に非ランダムな空間分布を維持することが分かり、神経の自己回避を想起させる。これらの細胞メカニズムは環境変化に対する最適な反応を上皮に提供することを提案する。

 

 

 

雑記

勉強になります

 

上皮組織の複雑な3次元組織化

Pedro Gómez-Gálvez;...;Luis M. Escudero(2021.1, Development)[The complex three-dimensional organization of epithelial tissues]

 

理由

ラボSlackで見つけたんだっけなぁ

 

概要

組織の細胞組織化を理解することは、発生生物学において重要である。この複雑な問題に対処するために、研究者は還元主義な方法の利点を活用して、基本的な形態形成メカニズムと量的法則を解明する。上皮では、多角形の平面充填として上皮を2次元で表すことは、組織化の理解に成功することが示されてきた。しかし、上皮組織は曲がったり折れて器官の形を形成する。この文脈において、上皮組織は制限された可塑性のある柱のブロックとしてよく単純化されてしまう。しかしながら、還元主義の観点からであっても、上皮組織化をもっともらしく説明するために、現実的な方法には頂-底インターカレーション(すなわちスクートイド形)を含む必要がある。ここでは、組織化の問題に関する歴史的観点を示す。特に、過去と最近のブレイクスルーを解析し、どのように、また、なぜ単純化したが現実的なin silicoモデルが重要な形態形成事象を解明するのにスクートイド特徴を必要とするかを議論する。

 

印象的な図

Fig4. 非侵襲的な力の推論モデル

 

雑記

上皮以外はこんな風に単純化できないんだろうか、できないとしたらなぜ?形が不均一だから?

警告色の被食者の被食-捕食系におけるダイナミクスと時空間パターン

Sourav Kumar Sasmal;...;Yasuhiro Takeuchi(2019.5, Mathematical Biosciences and Engineering)[Dynamics and spatio-temporal patterns in a prey–predator system with aposematic prey]

 

理由

警告色が面白いなって思って探したやつ

 

概要

被食者の警告時間と探索効率が拡散性被食者-捕食者系の時間と時空間動態に与える影響を解析する。ここでは、被食者集団はその総時間を2つの活動に投資すると仮定する。1つは捕食に対する防御と、もう1つは被食者の探索であり、これは成長誘導的な繁殖を起こす。一方で捕食者は自己防衛に関与しない。さらに、被食者の繁殖率と捕食率は、警告色に費やす時間の量と負の線形相関を持つと考えた。この仮定に基づいて、被食者の探索効率とは違って、警告時間はある閾値を超えると被食者と捕食者が共存する割合を減少させ、過度な警告では全体の集団は絶滅に向かうことが分かった。提案されたダイナミクスは、被食者の探索効率の点でホップ分岐を行う。警告時間と探索効率が通常のチューリングパターンの形成に与えるそれぞれの影響を調べた。防御時間と食糧の探索効率が低-中-高程度の場合には、それぞれ'スポット','縞','穴'のパターンが生まれる。しかしながら、両方の影響を組み合わせると、捕食者優位な非チューリングの'スポット'だけを示し、これはチューリング-ホップ分岐を介して起こる。

 

雑記

人間の皮膚にも警告色があれば面白いのに

生物の設計原理を理解するための表現型中心的なモデリング

Miguel A.Valderrama-Gómez;...;Michael A.Savageau(2018.10, Journal of Theoretical Biology)[Phenotype-centric modeling for elucidation of biological design principles]

 

理由

ラボSlackで紹介されてた

 

概要

最近開発された"表現型中心的な"モデリング戦略によって、4つの進歩と複雑な生物系の理解を進める可能性が結びついた。この4つとは、(1)生化学的な表現型の厳密で数学的な定義、(2)生化学ネットワーク構造に基づく表現型レパートリーを列挙する方法、(3)効率的なパラメーター予測と表現型レパートリーの解析のための一式の計算アルゴリズムの統合、そして(4)表現型の結果の空間を案内し、生物と関係のある特徴と系の設計原理を同定するための利用者重視の環境である。これらの進歩によって、パラメーター値を必要とする決定論的また確率論的シミュレーションが促進され、システム生物学における仮説識別と合成生物学における設計サイクルの両方が加速する。ここでは、まずこの新たなモデリング戦略を可能にする生化学表現型の基本的な定義をまとめ、ラムダファージ由来の単純な系を用いて戦略の概要を提示し、全体の設計原理の例を与える。次に、この方法の正や負のフィードバックを含む共通のネットワーク構造への応用を詳細に説明する。このシステムの表現型の全体的な耐久性に関する系の設計原理を報告する。最後に、この表現型中心的な戦略を論理ネットワークに適用し、ブーリアン法から得られた結果と比較する。機械的モデルとブーリアンモデルの互いの利点と欠点を十分に説明する。機械的モデルは生物として現実的であるという利点があるが、多くが分かっていない大量の生化学パラメーター値によっても制限されている。ブーリアンモデルはパラメーターの制限が無いという利点があるが、既知の物理または化学的定数も失われている。表現型中心的モデリング戦略は両方の利点を結び付けることを示す。

 

雑記

無心で家の物を断捨離してる時が一番心安らぐな

動物の色素パターンを生成するメカニズムの理論解析

Shigeru Kondo; Hideaki Shirota(2008.10, Seminars in Cell & Developmental Biology)[Theoretical analysis of mechanisms that generate the pigmentation pattern of animals]

 

理由

パターン形成は楽しいね

 

概要

動物の皮膚色素パターン形成のメカニズムは、長く発生生物学者や数理生物学者の興味の対象である。多様な皮膚パターンの再現することが出来る反応拡散系というよく知られた理論的仮説があるが、分子的証拠がないためただの仮説のままになっている。この総説では、その数理的土台に馴染みのない研究者向けにこれまでの理論的研究の結果をまとめ、数理モデルと実験解析をより十分に統合する将来的方法を議論する。

 

印象的な図

Fig1, 4, 5, 6 魚、哺乳類の皮膚のパターン

 

雑記

反応拡散のパターンが見られやすい種と見られにくい種とかあるんだろか、魚はよく聞くけど、鳥とかはあんまり聞かない気がする