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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

慢性アトピー性皮膚炎の皮膚由来の間質液におけるサイトカインプロファイル

K. Szegedi;...;Middelkamp-Hup(2015. J Eur Acad Dermatol Venereol.)[Cytokine profiles in interstitial fluid from chronic atopic dermatitis skin]

 

理由

共同研究者が教えてくれた

 

概要

背景

慢性アトピー性皮膚炎(AD)皮膚における炎症メディエーターの生体内レベルは、非侵襲性もしくは最小限の侵襲のサンプリング技術が無いため、十分に定義されていない。

目的

皮疹ではないAD皮膚や健康なドナー皮膚由来の間質液(ISF)と比較して、慢性のADの皮疹皮膚から集めたISFにおけるサイトカイン環境を調べること。

方法

レーザーで皮膚に微小な穴を作る最小減の侵襲性技術や、吸引で集めたISFを用いてISFを獲得した。16人のAD患者と12人の健常者由来のISFと血漿において、LuminexとELISAで33種類のサイトカイン量を測定した。7人の重度のAD患者で、皮疹皮膚から単離したT細胞が産生する IL-13, IL-31, IL-17, IL-22 そしてIFN-γを解析した。AD患者の遺伝子をフィラグリン遺伝子(FLG)のない変異2282del4, R501X, R2447X and S3247Xとして同定した。 

結果

調べた33メディエーターのうち25がISFで検出された。IL-1α, IL-1β, IL-18, IL-1RA, IL-5, IL-13, IL-6, IL-8, TNF-α, RANTES(CCL-5), MIG(CXCL-9), IP-10(CXCL-10), TARC(CCL-17), VEGF そしてG-CSF量が、皮疹・非皮疹・健常皮膚のいずれかと有意に差を示した。AD皮膚の皮疹や非皮疹部位由来のISFにおけるIP-10量は、IP-10血液量と有意な相関を示した。IP-10はIL-13と同様に臨床重症度(SCORAD)と有意な相関を示した。IP-10とIL-13の両方の量は、FLG-null変異を持つ患者でより強調された。さらに、FLG-null変異はより深刻なADを引き起こす。

結論

ここで示す最小限の侵襲技術は、AD皮膚の生体外サイトカインプロファイルを決定するための貴重な方法である。

 

雑記

急激なインスリン増加の影響でねむたい