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化学走性における勾配感知のための自発的シグナル発生の確率的制御

Naoki, Honda;..;Ishi, Shin(2008.11)[Stochastic control of spontaneous signal generation for gradient sensing in chemotaxis]

 

理由

本田先生シリーズ4

 

概要

化学走性の特徴は自発的な細胞のふるまいであり、この自発性は部分的には細胞内反応の確率性によるものである。走性のある細胞の自発的でランダムな移動は自発的に作られたシグナルによって調節される。そのシグナルとは、リン酸化イノシトール-3,4,5,-3リン酸(PIP3)パルスの一過的かつ局所的な増加である。本研究ではPIP3パルスを作るメカニズムと、化学走性間にパルスがどのように勾配感受に寄与するかの解明を試みた。この目的を達成するために、イノシトールリン脂質シグナル経路と小さいGTPaseから成る細胞内シグナル伝達の単純な生物物理モデルを作成した。理論的解析により、モデルの非線形ダイナミクスから興奮系が現れうること、そして確率的反応によって系が自発的に興奮状態になることがわかった。この確率的反応がPIP3パルスに対応する。これらの結果に基づいて、勾配感知の仮説を立てた。その仮説とは、化学勾配は空間的に興奮の電位障壁を修正し、その後より高い化学濃度にさらされた細胞の傍でPIP3パルスが作られやすいというものである。それから、シグナル伝達の確率シミュレーションを用いてこの仮説を確かめた。

 

雑記

適当に始めたブログが誕生日に100記事目を迎えました。