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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ERK活性の拡大の波が選択的細胞移動を方向付ける

Aoki, Kazuhiro;...;Matsuda, Michiyuki(2017.11)[Propagating Wave of ERK Activation Orients Collective Cell Migration]

 

理由

本田先生シリーズ5

 

概要

選択的細胞移動の生物物理的枠組みは近年広く調査されているが、隣接細胞からの化学的入力が選択的な移動をまとめ統合する仕組みはわかっていない。この論文では、細胞外シグナル関連キナーゼ(ERK)の有糸分裂活性型タンパク質キナーゼ活性の拡大の波が選択的な細胞移動の方向を決定する証拠を示す。MDCK上皮細胞の創傷治癒アッセイによって、ERK活性の波には2つの異なるタイプがあることが分かった。1つは傷からの"大波"で、もう一つは傷から離れた場所での自己組織的な"自発波"である。どちらの場合もMDCK細胞はERK活性波の方向に対して選択的に移動した。ERK活性拡大を阻害すると、選択的な細胞移動が抑制された。ERK活性波はアクトミオシンと細胞密度を時空間的に調節する、さらに、光遺伝学的にERK活性波は選択的細胞移動を再現した。これらのデータによって、細胞が選択的細胞移動の方向をどのように感知するかについての機械学的な考えが与えられる。

 

雑記

静岡からお届けしました