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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

前翅の斑点が少ないビシクラス・アニナナのチョウの捕食傾向

Ian Z. W. Chan;...;Antónia Monteiro(2021.5, Proc. R. Soc. B.)[Predation favours Bicyclus anynana butterflies with fewer forewing eyespots]

 

理由

Twitterで流れてきた・・・?

 

概要

タテハチョウの後翅に比べて前翅の斑点は少ないが、この不均一な分布の理由は不明である。多くのチョウにおける一つの可能性は、後翅は少なくとも腹側前翅の一部分に重なっており、斑点を示す前翅の部分が少ない(覆われた斑点は、継続的に目にすることができず、正の選択を受ける可能性が低い)ことである。2つ目の説明は、少ない前翅の斑点を持つことが、捕食者に対して選択的に有利になることである。斑点がある少なくとも275種のタテハチョウの翅の重なりを解析し、多くのチョウは斑点のない前翅を示した。すなわち、羽の重なりは、後翅と同じ数もしくはそれ以上の斑点を持つ前翅に制約するわけではない。カマキリを用いた2つの捕食実験を行い、2つの形態のビシクラス・アニナナの相対的な適応度と攻撃ダメージパターンを比較した。この2つは7つの後翅斑点をもつが、腹側前翅の斑点は野生型で2つ、斑点型で4つある。斑点型は、前翅により多くの捕食を受け、寿命が短く、少ない卵を産んだ。これらの結果から、ビシクラス・アニナナにおいて捕食圧が前翅斑点数を制限することが示唆される。これは、前翅斑点への攻撃が、後翅斑点への攻撃より飛行に有害な結果をもたらす条件で起こる可能性がある。

 

印象的な図

Figure 1. 野生型(a)とスポット(b)のビシクラス・アニナナチョウの例

 

雑記

今日はのんびり論文を読む日~~