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マウス胚盤胞における非対称性の計算機シミュレーション

Hisao Honda;...;Takashi Hiiragi(2008, Development)[Computer simulation of emerging asymmetry in the mouse blastocyst]

 

理由

 「理論生物学」第1章1-2 「理論生物学の眺め方」の参考文献

 

概要

哺乳類において確立した胚極性のメカニズムの論争が長く続いている。卵の中で前駆パターンがあるという主張の一方で、最近マウス胚の極性は胚盤胞の間には確立していない証拠を示し、機械的拘束モデルが提案された。ここでは、この形態に必要な最小の細胞特性を解明するために計算機シミュレーションを応用する。このシミュレーションは3つの仮説に基づいている。(1)細胞集合のふるまいを3Dバーテックス動態モデルによってシミュレーションされる(2)全ての細胞は機械的特性と等価である(3)等価な表面特性のある内部空洞は徐々に拡大する。しかしながら、初期試験によって、追加の仮定が必要であることが分かった。(4)空洞の表面は細胞内表面よりもしっかりしている。このことから、胚盤胞の空洞に横たわる基質が存在することが示唆された。これは既出のデータによって実際に確かめられた。よって、シミュレーションはマウスの胚盤胞を捉える構造を十分に生み出す。しかしながら、胚盤胞の軸は変化し、さらに仮説を追加した。(5)集合はカプセルによって閉じており、これは生体内の透明体に等しい。球状のカプセルは胚盤胞の軸を安定化しない一方で、楕円形のカプセルは採集的にその最長の直径に対応する軸の方向性を決める。これらの予測はマウス胚のタイムラプス記録によって実験的に証明された。シミュレーションの間、等しい細胞が小さい内部細胞と大きい外部細胞で構成される2つの異なる集団を形成する。これらの結果から、初期哺乳類発生の特異的な特徴、すなわち非対称性は前駆的な内部の差の必要のない等価な集団において非対称性が自律的に出現する、ということを解明する。

 

印象的な図

Fig4. 哺乳類胚盤胞の形態のコンピューターシミュレーション

 

雑記

お外に出ないから、雑記に書くことが天気の話くらいしかない。曇りで風が入るので、梅雨明けの夏前って感じで涼しくていいですね