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軸形成と成長を経る節足動物細胞場における縞形成過程の多様性の定量研究

NatsukiHemmi;...;HirokiOda(2018.5, Developmental Biology)[A quantitative study of the diversity of stripe-forming processes in an arthropod cell-based field undergoing axis formation and growth]

 

理由

セミナーで紹介されてたので

 

概要

節足動物の胚発生の保存された特徴の一つは、hedgehog(hh)を含むショウジョウバエのセグメントポラリティー遺伝子ホモログの縞状の発現である。縞形成過程の多様性は節足動物胚全体で見つかっているが、このような多様な縞形成過程は細胞的かつ定量的な観点から特徴づけられてはいない。蜘蛛(Parasteatoda tepidariorum)の胚はhh依存的な軸形成メカニズムを持ち、Pt-hh(hhホモログ)発現の縞が軸形成と成長と関連して動的に発生するような細胞場を必要とする。このパターン形成過程は場の領域によって異なる。本研究では、細胞ラベリングを用いて、将来の体を細分化してクモ胚における胚盤に位置づけ、胎児期における推定頭領域と後部(もしくは前部)領域におけるPt-hh発現の運動波の出現の実質的な証拠を示す。驚いたことに、細胞の追跡を合わせると、胚盤の中央付近の表面の細胞は、Pt-hh縞が連続的に生じる場の後ろ側に留まることがわかったことから、Pt-hh発現の規則的な振動の制御が示唆された。次に、兄弟の胚を連続的に固定することで、Pt-hh縞の形成の定量解析を行った。胚領域の軸成長を反映する長さの測定を利用することで、パターン動態を再構成した。ここでは、推定頭領域と後部領域におけるPt-hh縞の分離とPt-hh発現の振動をそれぞれ捉えた。中間の胸部領域では、3つのPt-hhの縞発現がゆっくり現れ、この分離単位は他のメカニズムより早かった。解析によって、パターン周期の期間を含む軸形成と縞分離と振動の事象に関連する定量的な推定が与えられた。この研究により、共通の時空間的枠組みにおける細胞場にでの縞形成過程の多様性が特徴づけられ、振動に対する分離の保存されている動態が明らかになった。ここで示した細胞的かつ定量的データによって、特に節足動物における体の軸の分離のような細胞に基づくパターン形成の実験的・理論的・進化的研究の基盤が与えられる。

 

印象的な図

Fig. 10. 後部領域におけるPt-hhの振動の定量的特徴

 

雑記

Abst、なげぇ