真核生物のテルモトガ門的起源のシナリオ
Tomohiko Kuwabara; Kensuke Igarashi(2020.5, Journal of Theoretical Biology)[Thermotogales origin scenario of eukaryogenesis]
理由
自分の専門分野の最近の論文を読むことにした
概要
真核生物がどのように生まれたのか、は進化生物学の一つの謎である。古細菌と真核細胞の間の遺伝子の類似点と関係する特徴に基づく、広く受け入れられている古細菌起源の真核細胞シナリオでは、グリセロール3リン酸タイプの膜脂質や巨細胞やゲノム、内膜形成のような最後の真核共通祖先の真核特異的な特徴のいくつかを説明できない。テルモトガ門の回転楕円体は、複数コピーの統合された巨大な塩基を持ち、周辺質に子孫を生み出すことから、これらすべての特徴と原形質流動の網状種のシグナル除去箇所を説明できる可能性があるが、これらは分裂することができない。複数コピーの統合された巨大ゲノム(MILG)との相同組換えを含むメカニズムによる再組織化に続いて、未発達な子孫において小さなDNAがランダムに結合することで子孫の染色体は形成されると仮定した。テルモトガ門の祖先の楕円体が、ウイルス関連粒子を介して水平伝播した古細菌の細胞分裂遺伝子によって分裂するようになり、最初の真核共通祖先(FECA)を形成したと提案される。この仮説を参考にすると、古細菌の情報処理系はMILGから切断したランダムに結合しているDNAによって、FECAで確率されたであろう。これは、MILG可能な相同組み換えによる再組織化にしたがって水平伝播した古細菌と真正細菌のDNAを含む。よって、巨大ゲノムは前提条件であって真核生物の結果ではない。ランダムに結合したDNAが真核生物進化の基本メカニズムを与える。ここでは、群の形成による多様性や新しい遺伝子、そしてエキソンシャッフリングに関与するイントロンが生み出された。
雑記