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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

我々の微生物の変更:皮膚科学におけるプロバイオティクス

Yu Y;...;Alikhan A.(2020.1,  Br J Dermatol.)[Changing our microbiome: probiotics in dermatology. ]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

背景:共生細菌はヒトの健康と疾患の病態形成における主要な因子である。共生細菌に対する関心は近年腸内細菌を超えて皮膚常在細菌や多様な皮膚疾患におけるその影響へと拡大してきた。

目的:ここでは、腸内細菌と皮膚常在細菌の双方を考慮して、皮膚科学における微生物の役割をまとめる現在のデータを示す。本研究の目的は、臨床データが特定の皮膚疾患に対する経口や局所プロバイオティクスの有効性を支持するかを評価することである。

方法:P警句MedtとClinicalTrials.govデータべースを用いて、アトピー性皮膚炎、尋常性ざ瘡、乾癬、慢性創傷、脂漏性皮膚炎、そして皮膚腫瘍の患者での皮膚常在細菌の違いや、プロバイオティクスの影響を調べた基礎科学研究や、探索的臨床試験、そして臨床研究を探した。

結果:アトピー性皮膚炎を除いて、皮膚疾患の予防と治療のためのプロバイオティクス活用を探索した臨床試験はほとんど存在しなかった。多くの研究は経口プロバイオティクス介入を調べ、局所的なプロバイオティクスを利用する研究では、皮膚常在菌を含むものはほとんどなかった。一般に、利用可能な臨床試験では、プロバイオティクス介入後に皮膚状態が改善されるという肯定的な結果が得られている。

結論:経口と局所プロバイオティクスは特定の炎症性皮膚疾患の治療に効果的であるように見え、創傷治癒と皮膚がんにおける有望な役割を示す。しかしながら、これらの結果を確かめるためにより多くの研究が必要である。

 

このトピックについて既に知られていることは何か?

マイクロバイオームはヒトの健康や疾患の病態形成において重要な役割を果たす。プロバイオティクスは宿主の微生物を操作し、患者の健康的な利益を与える可能性がある。特定の皮膚疾患に対する経口もしくは局所プロバイオティクスの有効性を探索するための研究が既に始まっている。

本研究が追加したことは何か?

本総説は基礎科学と臨床試験データを示し、皮膚科学における腸内細菌と皮膚細菌の役割を支持する。

アトピー性皮膚炎、尋常性ざ瘡、乾癬、慢性創傷、脂漏性皮膚炎、そして皮膚腫瘍などの皮膚疾患の予防と治療におけるプロバイオティクスの利用をまとめる。そして将来的なプロバイオティクス介入を提案する。

 

印象的な図

Fig.1 共生細菌による疾患の阻害メカニズム

 

雑記

良い図だ。