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Schnitzler症候群における皮膚と全身の炎症は、好中球の細胞外トラップ形成に関連する。

Hanna Bonnekoh;...;Karoline Krause(2019.3, Front. Immunol.,)[Skin and Systemic Inflammation in Schnitzler's Syndrome Are Associated With Neutrophil Extracellular Trap Formation]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

Schnitzler症候群は、稀な自己炎症疾患であり、インターロイキン1βと好中球優勢の炎症が特徴である。好中球細胞外トラップ(NETs)は、脱凝縮したクロマチン、ヒストンと、好中球によって放出される抗微生物ペプチドの網状の構造である。NETsは、病原体防御の文脈で最初に説明されたが、自己免疫介在性の皮膚疾患にも関与する。ここでは、Schnitzler症候群における好中球の細胞外トラップ形成(NETosis)の役割を評価する。Schnitzler症候群や他の好中球皮膚疾患(クリオピリン関連周期性症候群、Sweet症候群、壊疽性膿皮症)、蕁麻疹性血管炎、慢性特発性蕁麻疹の患者のサンプルと、健康なコントロールの皮膚で、ミエロペルオキシダーゼとサブヌクレオゾーム複合体の免疫蛍光共染色を行った。Schnitzler症候群の患者とコントロールの血中好中球を単離し、ホルボールミリステートアセテート(PMA)によってNETosisを誘導した。さらに、徴候的な Schnitzler症候群血清によって誘導されたコントロールの好中球のNETosis、サイトカイン、そして閾値以下のPMA量を調べた。免疫蛍光共染色によって、Schnitzler症候群の患者の傷害皮膚においては広く大きなNETが形成されるが、慢性特発性蕁麻疹やコントロールの皮膚においてはNETsが形成されないことが明らかになった。他の好中球疾患の皮膚でもNETosisを受ける好中球が観察された。それに応じて、Schnitzler症候群患者の血中好中球は、PMA刺激に従って、コントロールの好中球に比べてNETosisの速度が有意に増加することが示された。NETosis速度の増加は、高レベルのC関連タンパク質(CRP)と良く相関していた。最も低いNETosis速度のSchS患者は、IL-1阻害にも関わらず関節と骨の慢性的な痛みがあった。コントロールの好中球と閾値以下のPMAを徴候的なSchnitzler症候群の患者の血清で刺激すると、コントロールの血清のものに比べてNETosisが増加することが分かった。結果から、好中球によるNET形成の誘導は皮膚と全身性の炎症に影響し、Schnitzler症候群における局所炎症の解決を支持する可能性がある。

 

印象的な図

Fig6. Schnitzler症候群における好中球細胞外トラップ(NETs)の好中球の病態生理学的役割の主な仮説

 

雑記

えっ、1月ってもう終わったの?