これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

皮膚常在細菌:炎症性ニキビの新たな役者

Brigitte Dréno;...; Stéphane Corvec (2020.9, American Journal of Clinical Dermatology)[The Skin Microbiome: A New Actor in Inflammatory Acne]

 

理由

参考文献

 

概要

ニキビの病態生理学におけるアクネ菌(C. acnes)の役割の理解は、最近大きな転換期を迎えた。C.acnesの過剰増殖ではなく、異なるC.acnes系統型間のバランスが失われることが、皮膚常在細菌の多様性の低下とともに、ニキビの進行を起こす。C.acnes系統型の多様性の低下が、自然免疫系の活性化のきっかけとして働き、これが皮膚炎症を引き起こす。通常の皮膚よりもニキビにおいて、より毒性のあるC.acnes 系統型IA1の優勢が観察される。他の細菌、主に表皮ブドウ球菌もニキビに関係している。表皮ブドウ球菌アクネ菌は相互作用し、皮膚恒常性の制御に重要である。最近の研究からも、腸内細菌が皮膚細菌との相互作用を介してニキビに関与することが示された。一般的に使用されている局所的および全身的な抗生物質は皮膚の微生物異常を誘発するので、ニキビの病態生理学の新しい理解はニキビ治療の方向性の変化を促す。将来的に、個別のニキビ治療法を開発することで、病原菌を標的にし、常在菌を残すことが可能になるだろう。細菌の調整を含むこのような代替治療は、”生態生物的な”抗炎症治療の新たな時代を形成するだろう。

 

雑記

細菌を調整するにはどうしたら良いのだろうか