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皮膚の自然免疫防御系と微生物共生

Richard L. Gallo and Teruaki Nakatsuji(2011.6, J Invest Dermatol.)[Microbial Symbiosis with the Innate Immune Defense System of the Skin]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

皮膚は多様なメカニズムを通じて感染から自身を保護する。抗菌ペプチド(AMPs)は皮膚の自然免疫への主な貢献者である。この系は、表皮の特異なイオン性や脂質性、物理バリアと組み合わせて、侵入する病原体に対する最前線の防御である。しかしながら、最近の研究から、我々のヒトの自然免疫系は、ヒト起源だけのものではないことが明らかになった。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は健康なヒトの皮膚上の通常の微生物叢の主な構成要素であり、病的な可能性のある微生物の入植や既に存在する日和見病原体の過増殖に対するバリアとして機能する。この常在共生細菌は固有のAMPsを生産する。このAMPsは角化細胞によるAMPsの通常産生を促進させ、軽い表皮損傷後に過剰なサイトカイン放出を抑制することで炎症の恒常性を維持するのに役立つ。これらの観察から、通常のヒト皮膚の微生物叢は多様な作用機構を介して皮膚を保護することが示された。この結論は、典型的な感染のない場合であっても微生物叢の不均衡を伴うニキビやアトピー性皮膚炎、乾癬や酒さのような疾患に関連する多くの証拠によって支持される。この総説では、自然免疫の重要性と健康な皮膚を維持するための通常の皮膚細菌叢との関係に関する最近の観察に焦点を当てる。

 

印象的な図

Fig1. 皮膚自然免疫系における微生物合成の分子相互作用

 

雑記

シミュレーション流す元気が起きない