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紫外線照射と炎症によって誘導される皮膚バリア機能不全は、ヒト角化細胞の嗅覚受容体の発現と関係がある

Wesuk Kang;..;Taesun Park(2021.3, Int. J. Mol. Sci.)[UV-Irradiation- and Inflammation-Induced Skin Barrier Dysfunction Is Associated with the Expression of Olfactory Receptor Genes in Human Keratinocytes]

 

理由

参考文献

 

概要

嗅覚受容体(ORs)は、嗅覚上皮で匂いを感知するという機能を越えて、多様な細胞の種類で異なる生理学的役割を持つ。これらの先行知見から、ORsはいくつかの生理条件において診断マーカーや有望な治療標的になる可能性があることが示唆された。この研究では、皮膚バリア崩壊のよく知られた刺激である、紫外(UV)光や炎症に晒したHaCaTヒト角化細胞におけるORsの発現の変化の特徴化を目的とした。ORs, GNAL, Ric8b,アデニル酸シクラーゼタイプ3を含む主な嗅覚シグナリング要素がHaCaT細胞が高く発現していることを確認した。さらに、HaCaT細胞で検出可能な12の異所的なORsが、通常の条件よりUV照射や炎症条件でより高く発現していることが示された。加えて、既知のORsの匂い基質の存在下で、HaCaTの特異的なOR調節性生物反応を評価した。そして、特定のリガンド活性型ORsが、HaCaT細胞で皮膚バリア遺伝子を抑制することが観察された。本研究から、皮膚バリアの異常のマーカーとしてのORsの可能性が示された。ORがバリア機能不全の発生と進行にどのように関係しているのかを調べるさらなる研究が必要である。

 

雑記

最近は嗅覚の研究したくなってきたから、この論文は次の研究への道筋になるかもしれん