急性と慢性アトピー性皮膚炎における特異な生体内サイトカイン

HAMID, Q;...;LEUNG, DYM(1994.8, JOURNAL OF CLINICAL INVESTIGATION)[DIFFERENTIAL IN-SITU CYTOKINE GENE-EXPRESSION IN ACUTE VERSUS CHRONIC ATONIC DERMATITIS]

理由

皮膚炎6

概要

アトピー性皮膚炎の炎症の開始と維持に関与するメカニズムはほとんど理解されていない。最近のデータによって、局所的に発現するサイトカインのパターンは組織炎症の性質の調節において重要な役割を持つ。この研究では、急性と慢性のアトピー性皮膚炎患者の病変部の皮膚組織におけるIL-4,IL-5,IFN-gammaのmRNAの発現を調べるためにin situ ハイブリダイゼーションを用いた。正常なコントロールの皮膚やAD患者の非病変部位と比較すると、急性と慢性の皮膚病変はIL-4,IL-5のmRNAを発現する細胞の数は有意に増加したが、IFN-gamma発現細胞数は増加しなかった。しかしながら、急性AD皮膚病変と比べると慢性AD皮膚病変ではIL-4 mRNA発現細胞は有意に少なくなり、IL-5 mRNAは有意に増加していた。急性と慢性AD病変において、T細胞は主にIL-5発現細胞で構成されていた。慢性病変では急性病変より活性型EG2+エオシノフィルの発現量も優位に増加した。これらのデータによって、急性と慢性AD病変はIL-4,IL-5の遺伝子活性の増加と関連しているが、ADにおける急性皮膚炎の開始はIL-4発現の優勢と関係がある一方で、慢性皮膚炎の維持にはIL-5発現とエオシノフィル浸潤が主に関係することが示された。

雑記

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