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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ガン特異的なT細胞におけるTet制御性IL-12発現の安全性と効果

Ahdab Alsaieedi;..;Hans J.Stauss(1019., ONCOIMMUNOLOGY)[Safety and efficacy of Tet-regulated IL-12 expression in cancer-specific T cells]

 

理由

免疫シンポジウム予習。最後は Hans J. Stauss先生

 

概要

T細胞抗原特異性と作用機能の工学によって固形腫瘍の免疫治療が進んでいる。IL-12はガン免疫を増進することができるが、現在、毒性なしで安全にIL-12を輸送する戦略は存在しない。ここでは、TCR刺激に応答するNFATプロモーターや、ドキシサイクリンに応答するTet-Onプロモーターよって制御されるIL-12を発現させるためのT細胞を設計した。生体内では、NFAT設計T細胞は致死の毒性を起こしたが、Tet設計T細胞はドキシサイクリンの非存在下で安全であった。悪性腫瘍特異的なTP2-TCRとTet-IL-12を水平伝播で混ぜる設計によって、IL-12の一過的な誘導がB16F10悪性腫瘍の成長を抑制するのに必須であることがわかった。誘導されたIL-12は腫瘍浸潤性T細胞の数を増やし、TRP2-TCRの発現低下を防ぎ、そしてIL-12非存在下で見られるPD1マーカーのアップレギュレーションに関係していた。さらに、IL-12の一過的な誘導は腫瘍微小環境において形質細胞様DC(pDC)の数を増加させていた。IL-12を繰り返し誘導すると、全身毒性に遭うことなく腫瘍成長の制御を高めることができることを示す。TCR設計をTet制御性IL-12発現と組み合わせることで、生体内のIL-12の利用に大抵関連する副作用なしで腫瘍免疫を達成できることは、この考えを臨床に応用する正当な理由になる。

 

雑記

基本的に雨は嫌いなのだが、最近はあまりにも雨が降らないから雨の日は久々の知人に会った気持ちになる。梅雨に入るとそうもいっていられなくなるだろうけど。