これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

エクソソーム関連シガトキシン2は細胞から分泌され、マウスにおいて深刻な毒性を生じさせる。

Watanabe-Takahashi M;...;Toyama-Sorimachi N, Nishikawa K(2018.7, Sci Rep.)[Exosome-associated Shiga toxin 2 is released from cells and causes severe toxicity in mice]

 

理由

免疫サマースクールの復習

 

概要

シガトキシン(Stx)は腸管出血性大腸菌(EHEC)の主な病原性因子であり、Stx1 and Stx2のふたつのサブグループに分類される。臨床データから、Stx2はSTx1より深刻な毒性と関連があることが明確に分かるが、この差の原因となる分子メカニズムは十分には理解されていない。ここでは、標的細胞と共役した後にStx2は逆行輸送経路リサイクリングエンドソームによって運ばれることを発見した。しかしながら、リサイクリングエンドソームを介する輸送はStx1では起こらない。さらに、Stx2は受容体認識型のBサブユニット依存的な方法で細胞から能動的に放出されることも発見した。放出されたStx2の部分はエキソソームマーカーを含む微小胞と関係しており、これは遅いリサイクリングエンドソームから形成される多胞体由来である。最終的に、マウスに対するexo-Stx2の静脈内投与は、より致死的かつ組織損傷を起こし、特にStx2のない型に比べて深刻な腎機能障害と尿細管上皮細胞障害を生じさせる。よって、exo-stx2の形成は生体内でStx2の深刻性に寄与する可能性があり、EHEC感染に対する新しい治療戦略を示唆している。

 

雑記

大会中に必死こいて論文読んでたら笑われた