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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

とても遅い、が充分早いとき捕食者被食者系は崩壊する

Anna Vanselow;...;Ulrike Feudel(2019.10, Jornal of Theoritical Biology)[When very slow is too fast - collapse of a predator-prey system]

 

理由
Jornal of Theoritical Biology

 

概要
臨界転移や安定状態の遷移は生態系のある状態において突然かつ予期できない変化であり、大体環境変化の危険度に関連する。しかしながら、最近の研究から、臨界転移は環境変化の危険率によっても引き起こされうることが分かった。典型的な安定状態遷移とは異なり、このような率誘導性の典型的な遷移は安定性の明確な喪失や分岐を含まないため、線形安定性解析によって説明することはできない。この研究では、よく知られたRosenzweig-MacArthur捕食者-被食者モデルが、生息地の質の継続的な変化に応答して率誘導型臨界転移を起こしうることを示す。この結果、捕食者と被食者集団の崩壊が起こる。より驚くべきことに、この崩壊は環境の変化がモデル中の最も遅い過程より遅くても起こる。この直感に反する現象を説明するために、地理的な特異摂動理論に移動均衡の考えを組み合わせ、初期状態と系のパラメーター依存的な環境変化の危険率を調べる。さらに、環境変化率を固定するために、率誘導的な集団の崩壊を起こす初期状態セットを決定する。この結果から、生態系の環境変化の速さに対する感受性がこれまで考えられていたよりも高いことが示された。特に、(i)どの危険レベルも超えず、(ii)生態系の自然なタイムスケールよりも遅いような環境変化によって、劇的な生態的結果を持つ予期せぬ臨界転移が起こる。これにより、自然界で見られる安定状態の遷移が率もしくは分岐のどちらに誘導的に起こるのかという興味深い研究の疑問が強調される。

 

雑記

「授業があるから行けません」と言った時に「そんなの切ればいいじゃーん」って言ってくるやつ、切りたくないからそういう判断してるのを理解してくれない。