これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

第2章 自己触媒系に現れる自己複製パターンと時空カオス(中編)

三村昌泰(2006.2, 東京大学出版会)[非線形非平衡現象の数理 第4巻 パターン形成とダイナミクス]

 

理由

反応拡散の勉強

 

概要

2.4 遷移ダイナミクス

遷移ダイナミクス:遷移の過程に一時的に現れる解の特徴的なふるまい

遷移ダイナミクスと解の大域的な構造とのかかわりをみる

定常解のような状態をしばらく保つという性質は、どういった状況で起こりえる?

→極限点の余韻現象が本質的に重要

 

2.4.1 分岐的遷移

遷移ダイナミクスという観点では、亜臨界型分岐が重要

超臨界型分岐:分岐点から不安定化した解との差が徐々に大きくなる

亜臨界型分岐:分岐パラメーターを大きくすると、あるところで急に大きな差をもつ解へジャンプする

ヒステリシス:安定な解A→Bの遷移とB→Aの遷移が異なるパラメーターで起こる

サドル分岐点で解が消える際、余韻がそのダイナミクスの主役となる

2.4.2 極限点の余韻

極限点の余韻:初期値を存在する安定定常解にとり、パラメーターをわずかに大きくするとサドルノード分岐点にて解は消滅しているので、定常解は存在しない。しかし、極限点近くでは、大変遅いダイナミクスとなる

2.4.3 極限点の整列階層構造

2つの平衡点がサドルノード分岐を経て、突如と消滅するが、ベクトル場は動きが鈍くなる。このように極限点近くのベクトル場の性質により実際には存在しない定常解に収束するがごとくふるまう現象を極限点の余韻と呼ぶ

極限点の整列階層構造の要請

1. 整列性 極限点がほぼ同じ値で整列している

2. 連結性 不安定解の不安定多様体が上の解と下の解をつなぐ

 

雑記

カオスの勉強、面白くなってきちゃったな