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被食者捕食者ダイナミクスにおける季節性の強さと急峻さの効果

Alix M.C.Sauve;...;Frédéric Barraquan(2020.4, Journal of Theoretical Biology)[The effect of seasonal strength and abruptness on predator–prey dynamics]

 

理由

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概要

生態学における協約する動的な系は、季節性のサイクルからカオスにわたる複数の動的なふるまいをもち、パラメーターの季節的な強制に応答することが知られている。季節性の強制は主に正弦波としてモデル化される。しかしながら、季節間の遷移はしばしば捕食の成功における積雪の効果によってより突然に説明される。多くの研究が、強制シグナルの鋭敏さに対する結果の頑健性に触れてきたが、詳細な解析はなかった。したがって、季節性の強制の鋭敏さが共役動的系のダイナミクスに影響するか、またどのように影響するかは不明であるが、急峻な季節性遷移は生態系で広く見られる。いくつかの答えを得るため、季節性の強制の2つの特徴の効果を繋ぎ合わせることで強制シグナルの急峻性に対する捕食者-被食者集団の動的応答を数値的に解析した。2つの特徴とは、これまで単独で調べられていたシグナル強度と、急峻もしくは正弦波のシグナルの形である。線形な関数応答と飽和型の関数応答を両方考え、環境条件の変化に伴って変動する捕食者の発見率の季節性の強制力にと捕食を逃れるための被食者の能力に注目した。数値的な結果によって、より急峻な季節性強勢力が集団変動の大きさを変化させ、周期倍化分岐とカオスの出現、サイン波よりも低い強制力を引き起こすことが示された。強制シグナルの変異を調節することでこの傾向を充分抑制しない程度に和らげた結果、この変異は季節性強勢力の形の特徴だけでなく集団ダイナミクスとしても働くことが示唆された。理論研究によって、季節性を示すものとしてサイン波が用いられる一連の分岐が正しく予想されているかもしれないが、集団ダイナミクスの予測を正しく行うために、なるべく現実的な季節性強制力として解釈する応用研究の根拠である。

 

雑記

なげぇよ