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全組織免疫染色によって、ヒト汗腺における3次元の細胞の形と配列

Ryuichiro Kurata;...;Kiyotoshi Sekiguchi(2017.6, PLOS ONE)[Three-dimensional cell shapes and arrangements in human sweat glands as revealed by whole-mount immunostaining]

 

概要

議論の予習

 

概要

汗の分泌は汗腺の構造の機械的収縮によって促進されるので、それらの構造-機能関係を理解することで、熱中症のような汗腺障害のある患者に効果的な治療を導ける。従来の組織学的研究によって、汗腺は管と分泌部分を持つ3次元コイル管状構造であることが分かっているが、詳細な構造的解剖は未解明である。汗腺の3Dコイル型構造の詳細をより理解するために、全組織免疫染色法を用いて管腔、管基底、分泌腔そして筋上皮細胞の汗腺マーカーで3Dコイル型構造を視覚化した。3Dコイル型構造をイメージングすることで、管と分泌部分は異なる管構造から成ることが分かった。管は時折曲がる一方で、分泌部分はほぼ曲がらずにもつれたコイル構造を形成した。複雑なコイル型腺構造を全組織免疫染色することで、個々の汗腺区画における3D細胞配列も詳細に解明された。管は通常直方体の細胞から構成される一方で、分泌部分はもつれた分泌管に沿った長軸方向に伸びた筋上皮細胞によって囲まれていた。全組織免疫染色は、汗の分泌を促す血管と神経線維の空間配列を視覚化するためにも用いられた。血管は汗腺管に平行に長軸方向に走っているが、神経線維は汗腺管ではなく分泌管の周りを囲んでいた。これらを合わせて考えると、汗腺の全組織免疫染色によって、複雑なコイル型管構造の3D細胞型と配列が解明され、汗分泌中のコイル型管構造の機械的収縮における概念を与える。

 

印象的な図

Fig.3 汗腺の3次元構造

 

雑記

最近、少しずつ論文が進んできて嬉しい