アトピー性皮膚炎の主な素因は表皮バリアタンパク質フィラグリンの機能欠失変異である
Colin N A Palmer, Alan D Irvine[…]W H Irwin McLean(2006.3)[Common loss-of-function variants of the epidermal barrier protein filaggrin are a major predisposing factor for atopic dermatitis]
理由
"Atopic Dermatitis"の論文のなかで被引用数1位
概要
この10年間でアトピー性皮膚炎を含むアトピー疾患やアレルギー、喘息などの割合は増加しており、今や世界の20パーセントが患者である。双子や家族の研究により、アトピー体質はかなり遺伝的であるとわかった。
多くの遺伝的研究は免疫メカニズムに注目してきたが、初期表皮バリア欠損も考えられる。フィラグリンは表皮の最終分化と皮膚バリアの形成を行う重要なタンパク質である。
この論文ではフィラグリンをコードする遺伝的機能欠失変異体が非常に強いアトピー体質であることを示した。
これらの変異はヨーロッパ起源の人の9パーセントに見られ、アトピー性皮膚炎の状況で起こる喘息とも有意な関係があることがわかった。
この研究により、アトピー性皮膚炎の発症における皮膚バリア機能の障害の重要性が示された。
雑記
今週から別テーマ。
毎日更新はなかなか大変