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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

汗はなぜアトピー性皮膚炎における痒みの進行を引き起こすのか?

Hiroyuki Murota ;...;Ichiro Katayama(2019.1, Experimental Dermatology)[Why does sweat lead to the development of itch in atopic dermatitis?]

 

理由

授業の予習

 

概要

汗をかくことは、ヒトの温度の恒常性の維持において重要な役割を果たしている。しかしながら、特定の状況下で汗は痒みを起こしうる。例えば、過剰な汗が長期間皮膚表面に蓄積するとき、汗疹ができ、痒みを引き起こす。アトピー性皮膚炎(AD)などの皮膚症の患者は、熱や精神的ストレスに晒された時に痒みを感じ、これは汗刺激として知られている。最近、汗誘導性のかゆみの一つのメカニズムが解明されてきた。手近な例でいえば、AD患者において汗をかく能力を弱めると、保温や皮膚の乾燥、そして痒みの過敏化を引き起こす。さらに、 ADにおける汗腺のタイトジャンクションを減らすと、真皮における汗の漏出を導き、これは”汗エンドクライン反応”と表され、汗をかいてる間にチクチクする痒みの原因であるだろう。加えて、AD患者由来の汗を代謝解析すると、汗中のグルコース濃度が症状の深刻さに応じて上昇することが分かった。グルコース濃度が上昇した汗は、損傷した皮膚バリアの回復を阻止し、痒みを促進するだろう。この視点の総説は、最近の証拠に基づいて汗と痒みの間の関係をまとめる。

 

雑記

最近、練習合宿で汗だくになったばかりなので、この総説は興味深い