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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ハタネズミの周期的個体数における空間的な非同期性と周期的進行波

Lambin, X; ...MacKinnon, JL(1998.8)[Spatial asynchrony and periodic travelling waves in cyclic populations of field voles]

 

理由

"Traveling wave"のBiology分野の被引用数3位

 

概要

この論文では、空間的に参考にした時系列データを単純かつ経験的なモデルにフィッティングすることで、北イギリスのハタネズミの周期的な個体数において進行波が存在することの証拠を示す。個体数の周期はすべての場所で広く同調的であるが、マンテル検定の使用によって、北から72度の投影線の直線軸に沿って強い空間パターンがあることが分かった。次に、それぞれの場所での密度が時間ごとに標準密度曲線からの定数で差し引かれるような一次元空間において固定型の進行波を考えて、作った付加モデルに対数人口密度を合わせた。この差し引きの大きさは、任意の場所と採集場所の中央との空間的な分離、つまり固定された方向での場所間の距離、に比例していると仮定した。

モデルのフィッテイングの後、波は北から78度の角度で西から東へ19km/年の速度で進むことを予測した。広い範囲で同調的な個体数を示す遊牧鳥類の捕食者が少なく、進行波はハタネズミと/またはイタチによる捕食による密度依存的分散によって起こる可能性があり、適切な小空間スケールでは両方が働いている。

 

印象的な図

Figure3.個体数の密度が周期的な時間変化を示す。

 

雑記

図をさっと見る限りではどの辺が進行波なのかよくわからん、でも生物群集内/個体内に色んな進行波があるのはおもしろい