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急性期と慢性期におきてニッケルに対するアレルギー性接触性皮膚炎の皮膚における免疫組織染色を通じた炎症性サイトカインのプロファイルの評価

Silvestre MC, Reis VMSD(2018.11, An Bras Dermatol.)[Evaluation of the profile of inflammatory cytokines, through immunohistochemistry, in the skin of patients with allergic contact dermatitis to nickel in the acute and chronic phases.]

 

理由

急性慢性の炎症のサイトカインについて

 

概要

 

背景:ニッケルイオン(Ni2+)に対するアレルギー性接触性皮膚炎は先進国でよく見られる炎症性皮膚炎である。このとき、炎症性と制御性サイトカインニッケル特異的なT細胞の活性に続いて、炎症性と制御性のサイトカインが同時に産生され、誘導される。このことからいくつかのT細胞サブセット(ヘルパーT細胞Thと細胞障害性Tc)が関与していると言える。サイトカインのプロファイルをひろく理解することで新しい治療方針が導かれる可能性がある。


目的:この研究は、Ni2+に対するアレルギー性接触性皮膚炎の急性や慢性の湿疹患者における有病率を明らかにするために、免疫組織染色法を用いてTNF-α, INF-γ, IL-2, IL-4, IL-10, IL-13, IL-17 と IL-2の解析に取り組んだ。


方法:Ni2+アレルギー性接触性皮膚炎の患者20人において8種のサイトカインの免疫組織染色を行った。Ni2+に毎日接触することで慢性湿疹になった場所と硫酸ニッケルによって起こった急性湿疹の場所は接触試験の48時間後に生検を取った。


結果:染色サンプルは8種のサイトカインについて正の反応を示した。TNF-α, IFN-γ, IL-4, IL-13とIL-17 は慢性湿疹で高い有病率を示し、IL-2 and IL-23は急性湿疹で高い有病率を示し、IL-10は慢性と急性で同じ程度であった。しかしながら、これらの有病率のうち有意差があるものはIL-4 と IL-13のみであった。


結論:慢性と急性の炎症において、T細胞サブタイプ(Th/Tc)の混ざったサイトカインプロファイルの存在を確認した。このことから、応答は同時に起きていることが示唆される。

 

雑記

今日の発見:昼間の1時から夜9時までだらだら酒を飲むと、翌日頭が重い。