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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

無顎類のリンパ球集団:獲得免疫の起源と進化の考え

Yoichi Sutoh; ...; Masanori Kasahara(2016.7)[The Evolution of the Immune System Conservation and Diversification]

 

理由
免疫の進化シリーズ3

 

概要

チャプター3 

 T細胞受容体とB細胞受容体の代わりに、ヤツメウナギヌタウナギに代表される無顎類は、抗原受容体として多様なリンパ球受容体(VLRs))を持つ。VLRsは非常に多様な配列を持つ複数のロイシン豊富な繰り返しモジュールを集めることによって、T細胞やB細胞の受容体に比べて多様性がある。ヤツメウナギヌタウナギはともに、VLRA、VLRB、VLRCという名前の3種の抗原受容体を持つ。これらの受容体はリンパ球の異なる集団に発現する。VLRB+細胞は造血組織に発達するという点において鰐口上綱のB細胞に似ており、B細胞に似た遺伝子発現プロファイルを持ち、特定のVLBA抗体を分泌する。一方で、VLBA+細胞とVLBC+細胞は"胸腺様構造"に発達するという点で鰐口上綱のT細胞に似ており、植物凝集素に応答し、T細胞に似た遺伝子発現プロファイルを持つ。したがって、獲得免疫の細胞性免疫と体液性免疫に特化したTリンパ球とBリンパ球系列は脊椎動物の共通祖先に現れる。そして、有鰐類と無顎類はこのようなリンパ球系列の文脈で異なる抗原受容体を利用している。

 

雑記

忙しい日の朝に急に腹が痛くなって予定が潰れたりすると、人間というのも所詮は生物で、うまくいかないものだなぁなどと悲しくなったりする。