これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

細胞特異的経路の複数の遺伝因子が積み重なると関節リウマチのリスクにつながる

Ishigaki, K.;...;Yamamoto, K (2017.5, Nature Genetics)[Polygenic burdens on cell-specific pathways underlie the risk of rheumatoid arthritis]

 

理由

免疫サマースクール復習

 

概要

最近の研究から、複合病のリスク遺伝子のかなりの部分が細胞特異的方法で遺伝子発現を修正することが示唆されている。免疫関連性の複合病の候補遺伝子と生物学的経路を同定するため、105人の健康な日本人被験者からの5種の免疫細胞サブセット(CD4+ T細胞、CD8+T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞そして単球細胞)と未分画末梢血の発現定量特徴遺伝子座(eQTL)解析を行った。以下の3段階(1)eQTLデータと公式エピゲノムデータを用いた個人の遺伝子発現予測(2)遺伝子レベル関連解析(3)eQTL効果の方向性を統合することによる細胞特異的経路の予測、を含む解析経路を開発した。この経路を関節リウマチのデータセットに応用することで、候補となる原因遺伝子とサイトカイン経路(CD4+T細胞のTNFの促進)を同定した。この方法は、複合病の多遺伝子的寄与と潜在的生物メカニズムを特徴付けるのに効率的な方法である。

 

印象的な図

Figure1. 解析方法のフローチャート

 

雑記

山本先生は数理的な方法という点では近いけど、データベース型なので私と微妙にベクトルが違っていて、ポスター発表の時の議論に苦労した。。。