高移動性グループボックス1断片の投与はδサルコグリカン欠損ハムスターにおける骨髄間充組織幹細胞ホーミングの強化によって心機能の劣化を阻害する
Kido T;...; Tamai K;...;Sawa Y(2018.12, PLoS One.)[The administration of high-mobility group box 1 fragment prevents deterioration of cardiac performance by enhancement of bone marrow mesenchymal stem cell homing in the delta-sarcoglycan-deficient hamster.]
理由
授業の予習
概要
目的:高移動性グループボックス1断片を全身に投与すると、骨髄間充組織幹細胞の補充によって拡張心筋症のハムスターモデルにおいて心筋繊維化と心機能不全の進行を弱め、そして自己再生系の強化を引き起こすと仮定した。
方法:20週齢のJ2N-Kハムスターは、δサルコグリカン欠損であり、高移動性グループボックス1断片やリン酸緩衝生理食塩水の全身性投与によって治療される。左心室機能の心臓超音波検査、心臓組織的そして分子生物学的に解析した。HMGB1とコントロールグループに加えて毎月3回高移動性グループボックス1断片を受けるHMGB1グループを用いて別々に寿命延長効果を評価した。
結果:HMGB1グループでは、左心室駆出率の向上、心筋線維の減少、毛細血管密度の増加が見られた。心筋に見られる血小板由来の成長因子受容体αとCD106陽性間葉系幹細胞の数が有意に増加しており、遺伝子6を刺激している腫瘍壊死因子α、肝成長因子そして血管上皮成長因子の心筋内発現は、高移動性グループボックス1断片投与後に有意に上方制御された。コントロールグループと比べて毎月のHNGB1グループにおいて生存率の向上が見られた。
結論:全身性の高移動性グループボックス1断片投与は、損傷した心筋への骨髄間充組織幹細胞のホーミングを促進することで拡張心筋症のハムスターモデルにおける左心室リモデリングの進行を弱めることから、高移動性グループボックス1断片は拡張心筋症の新しい治療になりうる。
雑記
皮膚科学の授業の予習のはずなのに、再生医療の先生なせいで、普通に心筋の勉強になってしまった