これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

3次元細胞移動の最小計算モデル

Yuansheng Cao;...;Wouter-Jan Rappel(2019.12, Journal of the royal society interface)[A minimal computational model for three-dimensional cell migration]

 

理由

Twitterで流れてきた

 

概要

移動の間、真核細胞は常にそれらの3次元形態を変化させることが出来るので、非常に動的で複雑な過程を起こす。さらに、この過程を複雑にしているのは、同じ種類の細胞種が移動の異なるモード間を急速に遷移出来るという観察結果である。この複雑系モデリングするには、変形する膜を追うことが出来、移動モードの変化における原因となる細胞内ダイナミクスを捉えられるモデルが必要である。ここでは、細胞移動の効率的な3次元計算モデルを作成する。これは単純な細胞内活性-抑制シグナリング系に細胞力学を共役させている。社会性アメーバである細胞性粘菌を用いて定量的な実験と計算結果を比較する。モデルは力学的もしくは生化学的モデルパラメーターを変えることで、観察された移動モードを再現することができ、基質と細胞の生物力学との共役が提案された。

 

雑記

[本書では「科学」は終焉し「データベース+検索+機械学習」にとって変わられる、という悲観論は採らない(from 普遍生物学/金子邦彦)」

にあるように、医学は"データ科学"として後者の学問であっても良いと思うが、生命とは何かを根源的に考えることを含む生物学は後者ではいけないと思う。理解するのは諦めて、人工知能の分類におまかせというのはある種人類の敗北であろう