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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

制御ネットワークの構造から生分子の動態の定常状態解析

Atsushi Mochizuki; Daisuke Saito(2010.9, Journal of Theoretical Biology)[Analyzing steady states of dynamics of bio-molecules from the structure of regulatory networks]

 

理由

「理論生物学」第2章2-3 「生体分子制御ネットワークの構造の力学的解明」の参考文献

 

概要

生物分子間の制御関係は複雑なネットワーク系を構築し、分子活性のダイナミクスを通じて多様な生物機能を達成する。しかしながら、現在制御ネットワークの構造とその動態特性の間の関係はほとんど理解されていない。この論文では、ネットワーク系の動態を解析するために”結合理論"と名付けた新しい方法を紹介する。この方法で、制御結合だけの知識から与えられた複雑なネットワーク系の可能な定常状態を限定することができる。制御結合はそれぞれの変数のダイナミクスに影響する変数のリストを特定する。結合理論の2つの側面を正式化する。1つは”互換性原理”が与えられたネットワークによって達成されるダイナミクスの可能な定常状態の多様性の上限を決定する。もう1つは、”依存性の原理"は系の状態の可能な組み合わせを決定する。これら2つの側面を組み合わせて、(i)与えられたネットワークから、全体の系の定常状態の変化する表現を与えるノードのクラスターを同定できる。(ii)定常状態の多様性を生み出す能力を損なうことなく、与えられた複雑なネットワークをより単純なネットワークに減少させることができる。(iii)ネットワークの構造と観察された定常状態のセットとの間の整合性を調べることが出来る。(iv)そして定常状態だけから観察されるセットから未知の状態と未知の制御をしばしば予測できる。生物機能の実験的に決定された制御ネットワークに対するいくつかの応用によってこの方法を説明する。

 

雑記

論理的な文章、書くの難しい