これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

総合的な回路によって、遺伝子制御ネットワークが進化をどのようなメカニズムで拘束するかを解明する

Yolanda Schaerli;...;Andreas Wagner(2018, Molecular systems biology)[Synthetic circuits reveal how mechanisms of gene regulatory networks constrain evolution]

 

理由

ラボセミナーで紹介されていたので

 

概要

表現型の多様性は適応性のダーウィン進化の原材料である。生物の発生に見られる表現型の多様性は、特定の表現型に向かって偏っているが、このような偏りの裏にある分子メカニズムはまだほとんど理解されていない。遺伝子制御ネットワークが、制限された表現型多様性の一つの要因として提唱された。しかしながら、多くの適切な実験的というよりもむしろ理論的である。ここでは、胚発生における重要なパターンである遺伝子発現の縞を作り出す大腸菌において発現する2つの総合的な遺伝子制御回路における進化バイアスを調べる。2つの親の回路は同じ表現型を生み出すが、異なる制御メカニズムを通じて作りだしている。変異が2つのネットワークにおける異なる新しい表現型を起こすことと、他の新しい遺伝子発現表現型ではなくいくつかを変異がもたらすのはなぜかを理解するために実験的測定と数理モデリングとDNAシークエンスが用いられることを示す。結果から、ネットワークの制御メカニズムは変異上で可能な表現型多様性を制限することが分かった。結果的に、一見して平衡なネットワークは実際にそれらがさらなる進化の結果をどのように制限しているかとは異なる。

 

雑記

過去20数年、体調をどれだけ崩しても食欲だけは失ったことが無いことは、自らの生命力の強さと捉えてもいいのかもしれない