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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

皮膚の微小血管系の空間分布と皮膚での薬剤投与後の局所的な薬剤除去

Gregor Cevc; Ulrich Vierl(2007.3, Journal of Controlled Release)[Spatial distribution of cutaneous microvasculature and local drug clearance after drug application on the skin]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

通常の皮膚における微小血管系の分布を定量的に解析した。結論として、血管の分割面積は皮膚表面の下約0.1mmに最も多く、ここでは上部皮膚血管網がある。それから、血管の総面積はその後約0.75mmの深さまで0.1mmの減衰長で準指数的に減少する。これは、場所と皮膚状態に依存するが、より深い場所では約6倍の減衰長で減少する。対応する透過シンクは同様であるが、表面的には急峻かつ深い特性がある。表在性血管の側方位置は、経皮薬剤輸送に影響を与える毛細血管との拡散を最大化するようである。主な拡散経路によって囲まれている角質細胞層に対応する乳頭層の中心に各ヘアピン様のループがある。皮膚内の血管の合計面積は、通常の生理学条件下の総器官表面積より2.5倍以上も大きかった。よって、皮膚バリアを拡散している分子は器官の外側約20%で完全に除去される。除去率が時間と共に有意に増加すれば、これは皮膚内での薬剤濃度の最大化を起こすだろう。したがって、皮膚での微小透析法は皮膚血流(分布)とサンプリングにかなり影響を受ける。結果的に、皮膚の微小血管系とその分布は多くの局所もしくは経皮薬剤輸送研究において、例えば、一般的な拡散方程式に除去を適切に組み込むなどして考慮されるべきである。

 

印象的な図

Fig1. 皮膚血管の単純な分岐

 

雑記

動薬理学?っていうのかな、そういうのも面白そうだね(最適化問題になりそうだから、面白くはなさそうだけど)