ヒドラの睡眠様状態から、中枢神経系の進化的発生の間で保存された睡眠メカニズムが解明された
Hiroyuki J. Kanaya;...;Taichi Q. Itoh(2020.10, Science Advances)[A sleep-like state in Hydra unravels conserved sleep mechanisms during the evolutionary development of the central nervous system]
理由
ラボセミナーで紹介されてた
概要
睡眠行動は、線虫や節足動物でさえ見られるが、睡眠制御のメカニズムが進化の間にどのように出現してきたかについてはほとんど知られていない。ここでは、初歩的な神経組織化を持つ刺胞動物のヒドラにおける睡眠様状態を報告する。ヒドラの睡眠は、恒常性で形作られ、細胞増殖に必須であるが、規則性のない概日リズムを持たない。代わりに、ヒドラ睡眠の根底にある 縮日振動によって生まれるであろう4時間のリズムを検出した。睡眠由来のヒドラでのマイクロアレイ解析から、cGMP依存的なタンパク質キナーゼ1(PRKG1)とオルニチンアミノトランスフェラーゼを含む212遺伝子の睡眠依存的な発現が解明された。メラトニン、GABAそしてPRKG1の睡眠促進効果はヒドラでも保存されていた。しかしながら、興奮性ドーパミンは予想外にヒドラの睡眠を誘導した。ヒドラとショウジョウバエの間で、オルニチン代謝の睡眠に対する逆の効果が明らかであったことから、それらの睡眠制御機能の進化的スイッチが示唆された。よって、睡眠関連の生理学と睡眠制御要素は、脳の無い後生動物門で分子レベルで獲得され、適宜再プログラムされてきた可能性がある。
雑記
ニンニク、最初に食ったやつをほめてあげたい