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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ヒドラにおけるパターン形成のモデリング:発生の重要な段階の理解への道筋

HANS MEINHARDT(2012.1 ,Int. J. Dev. Biol)[Modeling pattern formation in hydra: A route to understanding essential steps in development]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてた

 

概要

ヒドラにおけるパターン形成のモデリングは、複雑かつ自己制御的なパターンの再現性のある形成の根底にある基本メカニズムを解明してきた。組織化された領域は、長距離の抑制効果と共役した局所的な自己増加反応によって生み出されることがある。このような反応によって、最初はほとんど同質な細胞の塊であってもパターン形成が可能になる。パターン形成反応を行う能力のあるオーガナイザーの長距離のフィードバックによって成長の間の極の軸パターンが安定化し、保存された極性のある再生が可能になる。口円錐形成は、Wnt3が共通要素であるような2つのポジティブフィードバックの制御下にあると考えられている。βカテニンを使う良く確立したループに加えて、追加要素としてブラキウリを持つであろう2つ目の細胞局所的なループが関与する。このモデルは、βカテニンとWnt3の異なる発現パターンを説明する。Wnt分子は、促進因子としての機能と、処理後は抑制因子としての2つの役割を行うことが提案されている。Wnt遺伝子は複雑なパターン形成システムを指定するので、遺伝子の重複と多様化が、互いに正確な相関を持つ発現領域の遺伝子ファミリーを引き起こす。触手形成は、中距離の活性化と、初期システムによって行われる局所的な排除による位置的な2つ目のパターン形成システムの例である。出芽形成のモデルから、一過的な前出芽シグナルが、出芽頂点と同様に通常の肢に近い出芽の肢の形成を開始するのに関与することが示唆された。従来の分子観察で見られた多くの動的な制御が、計算機シミュレーションで再現された。この件から、ヒドラは肢形成と左右相称性を開発する前の進化的初期の軸形成を残している生きた化石とみなせる可能性が生まれた。この論文に関連して動画シミュレーションも可能である。

 

雑記

本日は近所の図書館で作業をしています