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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ノイズと細胞間伝播によって誘導されるERKの確率的な活性は細胞密度依存的な増殖を制御する

Kazuhiro Aoki;..; Michiyuki Matsuda(2013.11, Molecular Cell)[Stochastic ERK Activation Induced by Noise and Cell-to-Cell Propagation Regulates Cell Density-Dependent Proliferation]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第3章3. 「数理モデル解析を用いたシグナル伝達機構の解明」の参考文献2

 

概要

細胞外のシグナル制御キナーゼ(ERK)は細胞増殖のシグナルカスケードにおいて中心的な役割を果たす。ここでは、ERK活性の確率的なパルスが、細胞密度依存的な方法で細胞増殖率を制御することを示す。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)バイオセンサーによって、確率的なERK活性パルスは自発的に発火するもしくは隣接細胞から伝播することが分かった。ERK活性パルスの振幅ではなく周波数が細胞密度にベル型に応答し、細胞増殖率に相関した。全ての場合で、合成的なERK活性パルスは細胞増殖を加速させる、光で切り替わるCRafタンパク質によって生成された。数理モデルによって、ERK活性パルスの80%はノイズによって生まれ、20%は細胞間の伝播によって生まれることが確かめられた。最終的に、合成ERK活性パルスに対する細胞のRNA配列解析によって、ERK活性パルスによって駆動される遺伝子発現における血清反応因子(SRF)転写因子の関与が示唆された。

 

印象的な図

Fig2. 細胞密度依存的な確率ERK動態と細胞増殖の相関

 

雑記

移動時間も食事時も関係なくPC触ってた結果、見事眼精疲労による充血が引かなくなりました