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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ヒト好中球エラスターゼは上皮成長因子受容体の活性化によって角化細胞の増殖を誘導する

Ulf Meyer-Hoffert;...;Oliver Wiedow(2004.8, J Invest Dermatol)[Human Leukocyte Elastase Induces Keratinocyte Proliferation by Epidermal Growth Factor Receptor Activation]

 

理由

実験系に関する論文

 

概要

表皮の過増殖と好中球浸潤は、乾癬で観察される主な組織病理学的な変化である。好中球はヒト好中球エラスターゼ(HLE)を含み、これは炎症の場所で分泌される。HLEは乾癬病巣に存在し、生体内外の角化細胞の過増殖を誘導する。HLEの蛋白質分解活性と表皮の過増殖を結びつける分子メカニズムを決定するため、ヒト角化細胞におけるHLE誘導性シグナリングの効果を調べた。100nM HLEを与えると、FURA2を導入したヒトHaCaT角化細胞において一過的にカルシウム流入が起こることが1細胞蛍光イメージングで観察された。このカルシウムシグナルは濃度依存的であり、HLE阻害剤 エラフィンや分泌性好中球プロテアーゼ阻害剤を加えることで阻害される。このカルシウムシグナルは、百日咳毒素やコレラ、トリプシンの前置刺激では阻害されなかった。プロテインキナーゼC阻害剤であるトリプシンキナーゼ阻害剤ゲニステインと培養すると、中和EGFR抗体と培養した時と同様に、HLE誘導性カルシウム流入がなくなる。HLE処理した角化細胞の上清は、分離培養した角化細胞でカルシウムシグナルを誘導した。これは、抗TGF-α抗体の追加によって阻害される。HLE誘導性の角化細胞増は、抗EGFR抗体と抗TGF-α抗体の中和によって阻害されうる。ここでは、HLEがTGF-αを含むEGFRシグナリングカスケードのタンパク質分解活性化によって角化細胞の増殖を誘導することを示す。

 

雑記

ようやく本業の方の論文を読み終わったかと思ったら、副業の方も勉強しなきゃいけなくなってきた