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TNFサブスーパーファミリーのメンバーによる増殖、生存そしてアポトーシスの制御

Upasna Gaur; Bharat B. Aggarwal(2003.10, Biochemical Pharmacology)[Regulation of proliferation, survival and apoptosis by members of the TNF superfamily]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

腫瘍壊死性因子(TNF)は、生体内外で抗腫瘍効果を持つサイトカインとして1984年に最初に同定された。その後の研究から、少なくとも18の異なるTNFスーパーファミリーが存在し、それらは互いに15-25%のアミノ酸配列の相同性を示すことが明らかになった。これらのファミリーメンバーは異なる受容体に結合する。この受容体は、細胞外ドメインで相同である。これらのサイトカインは、腫瘍形成、敗血症、ウイルス複製、骨吸収 、関節リウマチ、糖尿病そして他の炎症性疾患を含む幅広い疾患に関係している。TNF阻害剤は米国やその他の国々で、これらの症状の一部の治療においてヒトでの使用が承認されている。TNFスーパーファミリーの多様なメンバーは、細胞の増殖、生存、アポトーシスのどれかを調整する。受容体は異なるが、全てのメンバーは核因子κB(NF-κB)や分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(例. c-Jun N末端キナーゼ)の活性化を調子する共通の細胞シグナリング経路を持っている。TNFスーパーファミリーによる細胞成長や、NF-κBとc-Jun N末端キナーゼの制御は、一連の細胞シグナルタンパク質の活性化/協力の連携を通じて調整される。例えば、TNF受容体関連因子、Fas結合デスドメインタンパク質やFADD様ICE、カスパーゼ、受容体相互作用タンパク質、NF-κB誘導性キナーゼ、そしてIκBαキナーゼなどである。アポトーシス性と抗アポトーシス性のシグナルの両方が、同一の細胞において同一のサイトカインによって同時に活性化される。これらのサイトカインが共同で、パートナーを変えたり、ステップを重複したりする複雑なダンスにおいて、細胞の成長/生存/アポトーシスを制御する。

 

印象的な図

Fig.2 TNFスーパーファミリーはアポトーシスシグナルと生存シグナルの両方を活性化できる

 

雑記

ボスとの議論が自分の思った通りに進み、大変満足している